1章  滅び

8/12
前へ
/20ページ
次へ
 風華は黙り込んだまま何も喋らない。  「たかが嫉妬如きで別れろなんて話、御免だね」  「違うわよ!!」  「何?」  他の客がこちらの痴話喧嘩に驚いている様子どころではない。  「そもそも、私が貴方みたいな童貞と付き合うこと自体間違っていたのよ」  「・・・・・・」  「ということで、もうこの話はお終いにして――「ふざけんなよ」」  僕の言葉に狂気がこもっていたのか、風華が肩をビクッと震わせた。  「風華さぁ、最初に僕に告白してくれた時に言ったじゃん」  「・・・何を」  「キャラ設定なんか関係ない、優しい人が好きなだけって言ってたじゃん」  「それが?」  「僕が前に風華を助けてくれたことが遭ったから、僕のことが好きになったんでしょ?」  「だから――「矛盾してるんだよ!」」  「お前はどっちの意見なんだよ!」  「っ!」  「もういい。僕はこのまま帰らせてもらう。」  「はっ!上等よ。あんたなんて明日からは、だものね」  「ああ。その通りだ」  「理解ってるじゃない」  「じゃあな、元カノさんよ」  「バイバイ、元カレ君」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加