週3でラーメン

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 何度か優美とやり取りして明後日の16日に約束を取り付けた頃、シャワーを浴び終えた理緒が部屋に戻ってきた。 「千尋ちゃん、お待たせ。そろそろ寝る?」  その姿を見た途端、私の心臓はドキッと跳ね上がった。  メガネを外した顔もなかなか見る機会はないのだが、髪をアップにした姿を見たのは今回が初めてだ。メガネの有無と髪型だけでこうも女は変わるのか。 「……あ、うん。私どこで寝たらいい?」 「ベッド使って。私は予備の布団で寝るよ」  さすがに一緒に寝ようとは言われなくてホッとした。さっきまで10%だった危険度が20%まで上がっていたのだ。  それにしても、理緒はこれからどんな変貌を遂げるのだろう。服装は私なんかのアドバイスじゃどうにもならないとしても、とりあえず髪型とメガネさえどうにかすれば別人級の美女になるのは確実だ。 「ところで理緒、なんで急にイメチェンしようと思ったの?」 「……うん。職場の先輩に『若いのに地味だねー』って言われちゃってさ。今日みんなと会って確かにそうかもって」 「ズバズバ言う人だね。先輩って女の人?」 「うん。悪い人じゃないんだけどね。もっとおしゃれした方が絶対いいって言ってくれたし」 「なるほどね。じゃあ先輩を見返してやろうよ」 「そうする。今週末美容室行ってくる」  その後は理緒の変身後の姿を想像しながら眠りに就いた。この時まではその程度だったのだが__。
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