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ユキが触れる唇が気持ち良くて、誘い出されるままにおずおずと舌を伸ばし、ユキの感触を享受する。
滑らかで、ほんのりザラザラしていて、リンの舌をすっかり絡め取っても余りあるほど長く、悪戯に這いまわり、甘い液体を注ぎ込む。薬湯の温かさとは別の甘い熾火のような熱が身体の中心に湧き起こって、無意識にユキに身体を擦りつける。
「気持ちいいか?」
ユキはリンの口の中で笑いながらリンの身体をしっかりと引き寄せた。触れ合う肌の感触がくすぐったくて、リンは身体をくねらせた。リンがうなずくと、ユキは美しい青い瞳を甘やかに煙らせて、リンを撫でながら唇を重ねた。柔らかく唇を食んだり、優しく牙で触れたり、喉の奥深くまで舌を差し込んだりする。
「ふ、…っ、…んっ、――――――」
耐え切れない熱がどんどん湧き起こってきて、リンは必死でユキにしがみつき、精一杯舌を伸ばす。絡まり合った舌にユキの牙が甘く触れると、突然、真白な閃光が目の前で弾けた。
そのまま、身体中に快感が広がると、急速に眠気に襲われる。
『ユキ、…』
声にならない声を上げて、快楽の眠りに落ちるリンを、ユキは手のひらと舌で優しく撫でた。
それから何度か、リンは目覚めてユキに注いでもらい、唇から甘い快感に落とされて眠った。目覚めるたびに、自分の身体がしなやかな力に満ちているのが分かる。崩れた細胞の一つ一つが水分を得て膨らみ、再生して、頭のてっぺんからつま先までエナジーが浸透している。
それと同時に、ユキから与えられる快感もどんどん高まっていった。
唇だけでは足りなくて、もどかしさに涙しながら、ユキにねだる。
もっと、…
「…ゆっくりな」
ユキは甘い笑みを浮かべてリンの身体を開き、すっかり蘇生して生気を取り戻し、瑞々しく張り詰めたリンの肌を撫でた。
ユキはどうしてリンの気持ちが分かるんだろう。
的確に、ぴったりと、ユキの温もりを待って揺れるリンの身体を撫でる。大きな手のひらで包み、くすぐるように爪を遊ばせて。感触を楽しむように指先で辿り、柔らかく揉みしだいて。
「ふ、…、は、…っ、…―――」
快感に涙を浮かべて呼吸を喘がせるリンを慈しむように青い瞳で愛でて、唇を寄せ、柔らかく舐め取る。
「リン、…」
ユキの低くて深い声が、リンの耳朶をくすぐって身体に沁み渡り、リンはユキの腕の中で背中を反らせながら弾け飛んだ。身体の中に溜まった甘い熱がはち切れ、たゆみなく全身に広がり、快感の爆発が次々に訪れて、身体が跳ねる。指先を握りしめてユキにすがった。
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