１０年の沈黙

違和感

帰宅してから、しばらく考える時間。

家の都合上、県外に出ることは難しいということと、いきなり会社の信頼性など両親とも話して今回は辞退する事にした。

そして、研修メンバーみんなで集まる日。
バスに乗って集合場所の飲食店へ向かう。

「一緒に仕事できたら最高に楽しそうだったのになぁ…」

と残念に思いながらも、久々会うのが楽しみだった。

バスを降り、歩いていると久しぶりの声が後ろから届いてきた

「雪ちゃん？」

振り返ると、智樹がこちらに向かって歩いてきた。

雪「あれ？智樹さんお久しぶりです。いつからいたんですか？」

智樹「久しぶり〜。同じバスに乗ってたんじゃないかな、さっきのバスだった？」

雪「そうです、全然気づかなかったですよ〜、家同じ方向なんですねぇ〜」

と、2人で改めて、家どのあたり？どのバス停？とか話してると、どうやら私よりも遅く智樹が乗ってきたらしいけど、私が前の方に座っていたため気づかなかったみたい。

仏頂面が多かったのに、ちゃんと話すとニコニコとよく話をする人だなぁと思いながら、ますます一緒に仕事出来ないのが悔やまれる。