01 そうして僕は死んだ

5/17
前へ
/17ページ
次へ
「ねぇ。どうして空は青いの?」  これは夢か……  小さな頃、母親に質問したのを覚えている。 「辞典で調べなさい」  その言葉はどこか冷たくどこか暖かかった。  なので僕は図書館に行き辞典を探した。  でも、どの図鑑に載っているかわからない。  なので【空の戦士】という本を借りた。  今で言うライトノベルっぽい小説だった。  空が青いのは太陽の光が地球に届くまでに大気中の空気が色んな微粒子にぶつかって青くなるらしい。  赤くなるのはその微粒子にぶつかる距離が離れるとぶつかる微粒子の関係上赤くなるらしい。  これが本当かどうかはわからない。 「ソラ、ずっと眠っているね」 シエラさんの声が聞こえる。 「酷い怪我だったからな。  回復魔法で怪我は癒やしたものの転生者したてだ。  脳の整理が追いついていないのだろう」 清空さんがそう言っている。 「僕は転生者なのですか?」 僕はゆっくりとした聞いてみた。 「お?意識が戻ったな?  お前は前世の記憶があるのだろう?  それが証だ」 清空さんが教えてくれた。 「僕に特殊な力とかあるんですか?」 「異世界から来たものはみなそれを言うが。  前の世界の能力を維持したままこちらの世界に来る」 清空さんの言葉が僕に深く突き刺さる。 だったら僕は無力じゃん。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加