間宮 桔平

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間宮 桔平

間宮 桔平(まみやきっぺい)はアルファの父とアルファ母の間に生まれた、両親は当然アルファ同士から生まれた桔平(きっぺい)をアルファだと信じていた。 だが期待に外れて桔平(きっぺい)はオメガだった………それは両親にとって人生最大の汚点とされた。 同じ家に住みながら、一緒に食事をとることもなく別棟として与えられた部屋で一人で食事をし、一人で眠り暮らしていた。 両親とも二度と子供は作らないと決め、桔平(きっぺい)の事も記憶から消したかの如く、食事の世話や生活のすべてがお手伝いさん任せだった。 顔を合わせることも声をかけることもなく、母屋と別棟は永遠に交わることは無かった。 一緒に暮らせない事や両親に甘えられない点を除けば、生活に困ることは無く学校への通学も許されていた。 桔平(きっぺい)にとって、学校に居るときが唯一楽しい時間だった。 元来明るい性格で誰とでもすぐに仲良くなり、自由奔放なところが男子にも女子にも好まれ友達は大勢いた。 ただ一つ自分がオメガであると言う事が心の中で引け目となって燻ぶっていた。 それは両親の自分への態度や言葉がそう思わせていた。 それでもクラス全員がオメガであり、自分と同じだと思えば学校に居るときだけは気が楽だった。 オメガにはヒートと呼ばれる、発情期があることは知っていても未だに発情したことは無く、そうなった時自分がどうなるのかさえ知らなかった。 そしてその瞬間はある日突然来た………それも予期せぬ場所で知らないアルファが居る前で………
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