エピソード 4

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エアコン禁止令が出てからは、サウナ状態の店内を俺は汗だくで走り回るはめになった。 防犯のためか、あるいは手入れしやすいためか窓が全てはめ殺しになっており、外気を入れて涼むことはできない。 それで人間の客が現れるのを、俺は密かに天使降臨と呼んでいた。 そして、その客の滞在時間を延ばすために、勝手に食後にドリンクやアイスクリームを無料サービスしたりしていた。 ところで、これも何の意図で設定されているのか分からないのだが、入り口近くで席が空くのを待っているAIロボット客が、おそらく一定時間待ったあと「まだなのか?」と、いちいち俺を呼び出して説明を求め、営業妨害に勤しんでいたりする。
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