エピソード 2

3/4
前へ
/19ページ
次へ
そんな風に逆ギレしてくることがある。このロボットの製作者が、どういう意図でこのような機能を搭載したのか、俺にはよく分からない。 彼はいった。 「別の言葉で言ってみましょう」 おそらく、俺に改めて冷静で的確な指示をするようテンプレで促しているのだと思うが、俺は単に思ったことを端的にいった。 「お前はバカか?」 すると、パンと弾ける音と共に小さく火花が飛び、彼の首根っこ辺りから細い煙が上がった。 どうやらショートしたらしい。 このごろはなぜか女性のロボットよりも男性の方が、このように造りの繊細なものが多い気がする。 それにしてもだ。無駄にゲーム要素を加えて、どういうつもりなのか。 だから選べるなら女性モードのロボットが良いが、そう意見しても本部は取り合ってくれやしない。目先の安い中古品に手を出しては現場に送り込んでくる。 本部の人間も、控えめにいっても、いわなくてもただのひと言で済む。 バカだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加