エピソード 3

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エピソード 3

それはともかく、今日は順調に客入りしている。 とにかく売上を守り、利益を確保していれば、本部は基本口を出さない。 が、この態勢には落とし穴がある。 システムを運用する人間を、必ず毎日店に1人配置しないといけないことだ。 つまり、俺の代わりが店にやってくるまで、俺には休日がない。 そのために巡回してくる本部所属の社員がいるはずなのだが、急に店長が辞めて無人となった店ができると、その本部社員がその手当に追われて回ってこないため、俺ら店長の休みがなくなってしまうのだった。 こういうことが、常日頃あり、店長クラスの人間(というか店長しか現場にはいないのだが)は休めないせいで、ドミノ倒しのように辞めてしまったり、文字通り倒れていったりする。 かくいう俺も、いつか遠くない未来に辞めるつもりだが、転職してもその先でAIロボットのご機嫌取りをするのだと思うと、転職意欲も削がれてしまう。
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