act.3

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act.3

「実は僕、アメリカのある有名企業の創始者の隠し子だったんだ」 「……へ?」 話の切り出しが余りにも衝撃的で思わず変な声が出てしまった。 「ははっ、そうだよね、変だよね、あの時の僕からは考えられない出自だよね。でも本当なんだ。母が学生の頃アメリカに留学していた時に父と知り合って恋に落ちてそして僕を身籠った。だけど母は父の本当の姿を知って父の元から逃げ出したんだ」 「本当の姿?」 「その時の父には既に妻も子どももいた。つまり母は知らない間に愛人という身分に置かれていたんだ」 「!」 「まぁ、よくある話かも知れないね。でも母にとっては純粋に恋した結果が道ならぬ恋だったと知った時の衝撃は大きくて、父に黙って失意のまま日本に帰国してしまったんだ」 「……」 余りにも衝撃的な話に一瞬言葉を失った。
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