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「今回の接待の本当の目的は君に会うこと」
「そ、それはどういう意味ですか」
「一度君の会社に行ったことがあった。その時、遠巻きに君を見て以来気になって仕方がなかった。絶対ものしたいと思った。だから今回のこの席は君を誘い出してふたりきりになるためのtrapだった」
「は?!」
「君のpartnerは帰って来ないよ。businessの話は別の場所で進行中だ。だから君は安心して僕のものになりなさい」
突然手首を掴まれた。それから逃れそうようともがくも大人の男性の力に非力な私が敵う訳がなかった。
「は、放してください!」
「大声出してもok。此処はそういう事に適した部屋だからね」
「?!」
(そういう事って……まさか……)
浮かんでしまった恐ろしい想像に上手く頭が回らない。そんな状況の中でもサージェストは私を強く見つめる。
「本当に美しい……まさに大和なでしこを体現した様なladyだ」
「!」
その強烈な視線に耐え切れずに頭の中が真っ白にスパークした。そしてほぼ無意識に左掌が彼の頬を叩いていた。
静かな部屋に小気味いい破裂音が響く中、その衝撃に怯んだサージェストから慌てて距離を取った。
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