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第5話 お互いの自己紹介
「……私は、宏香。秋吉宏香って言うの」
相手は猫又ちゃんだけど、コミュニケーションはしっかりしなくちゃ。
焚き火を囲んでいるので、向かい側に座っている猫又ちゃんは何故か首を傾げたが。
「ヒロ……クワ? ヒニョァ?」
「あ、言いにくい? じゃ、ヒロでいいけど」
学生時代以来呼ばれていないから、ちょっと懐かしい。
言ってみると、猫又ちゃんは首を縦に振ってくれた。
「うむ。その方が良い。ヒロ、あちきはクレハと言うんや」
「おお! カッコいい!」
「そうかい?」
なんか、ちゃん付けするのが恥ずかしいくらいかっこいい!!
妖怪なんちゃらのヒロインと言うか、戦う女戦士みたいな?
言うほど、あんまりサブカルチャーの知識は持っていないから、ざっくりとしたのしか知らないけど。
クレハは前足で軽く顔を擦っていたから、褒めたことに照れているかも。
「じゃ、名前はわかったけど……クレハ、信じられないけど。聞いて欲しいことがあるの」
「なんや?」
「……私、この世界の人間じゃないの」
「……ほぉ?」
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