第6話 私はジビエ料理人②

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 ざしゅって、クレハが指示している箇所を目に見えない風の刃か何かで、あっさり切ってくれるのは見ていて面白い。  皮もだけど、角も骨もこの場合は焼却処分した。  何かあって寄生虫騒ぎに……ならないのは今更かな?  クレハが言うには、ここいらはモンスターが過ごす弱肉強食の森だからそうで。 「じゃ……お待ちかね! 焼こう!!」 「おー! 待ってたわぁ!」  網とかがないので、木の枝をクレハが串のように加工してくれたのに……ブロック肉を刺していく。  ここに臭み消しなども兼ねて、塩とかを振りたかったんだけど。 「塩……ないかな?」 「あるで?」 「え?」  クレハがほら、と前足を向けた場所には……ピンクの結晶があった。  全然気づかなかったけど、あれってつまり! 「岩の塩やねんけど、削れば使えるやろぅ? そんなんも、向こうにはないん?」 「あ、るけど!? こんな道端にあるの!?」 「ここいらは……大昔海の底やった説があるんよ。せやから……時々こんなのが顔出してくるんや」 「使おう!!」  天然のヒマラヤ岩塩ぽいの!! 是非とも使わせてください!!
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