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なんで、わざわざ腕を治してまで転移とやらにさせたかわかんないが……とりあえず、クレハには喜んでもらえただけでも嬉しい。
ここから、どうスタートしていけばいいかはさっぱりだけど。
「……ほーん? ツテはなくない」
「え!?」
なんか、クレハにコネか何かがあるみたい!?
私は思わず、距離を詰めて彼女を覗き込んだ!!
「な、なんや? そないに驚くん?」
「ご、ごめん……びっくりしちゃって」
「ええけど。まあ、場所を知っとるだけや……あちきら『アヤカシ』の集落に行くことになるんやけど」
「え……モンスターの?」
「なーに。人間とも商売のやり取りしとるんや。悪い条件ちゃうやん?」
「おお!」
かっこいいです、クレハ様!!
思わず、ハグしかけたら避けられちゃったけど。
「ほんなら行くで? 急いだ方がええやろ?」
「……こんな夜に?」
「そう見えるけど、あれがあるから今は昼間や」
クレハは足を向けた方向には、木に鈴のように光った木の実が発光していたのだった。
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