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第96話 長老の好物
今日も今日とて。
『小料理屋ヒロ』は元気に営業中です!
「うんまいのぉ!」
「そうじゃの、焔の」
焔の長老様と長老おじいちゃんがご来店だ。
今は、長老おじいちゃんが大好物となったボア肉のメンチカツを……おふたりで食べてくれている。
「気に入ってくださって、何よりです」
「うむうむ! 卵をこのように扱うのも面白いの!! 揚げ物……言うたかえ?」
「はい。私の故郷では……一般的な調理法です」
見習いの腕前でも、美味しく召し上がってくださるのはすごく嬉しい。
お客さんも他に、アヤカシさんとかがちょいちょい来てくれている。クレハやスインドさんも大忙しだ。
「こ……こここ、こんにちは……」
次の料理に取り掛かろうとしたところで、雪の長老のユキトさんが来てくださったのだ。
「あ、いらっしゃいませ!」
「せ、席……どこでも?」
「雪の! こっちに来りゃれ? 共に食そうぞ」
「は……はい」
と言うことで、ユキトさんは焔の長老様の隣に腰掛けたので……おしぼりとお通しの野菜きんぴらを出しました。
「今日はいかがなさいましょう?」
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