338人が本棚に入れています
本棚に追加
第2話 治された腕
「な、なに!?」
慌ててギブスの腕を庇ったが、落ちていくのはすぐに終わりを迎え。
気がついたら、ふわふわクッションのような……不思議な敷物の上に座り込んでいた。
すっごく……人をダメにしそうな感触。
許されるなら、いつまでも沈んでいたいくらいだ。
「……ふふ。今回は貴女ね?」
声が聞こえた。
あちこちをキョロキョロしてみると……すぐ右手側に、その人はいた。
自分にはない、抜群のプロポーション持ちの美女。
だいぶ昔の表現で言うなら、緑の黒髪と言う感じの綺麗なストレートロングヘアに……宝石のように輝く緑の瞳。
微笑みだけで、たいていの男をイチコロ出来そうなくらい。
同じ女の私ですら、思わず見惚れてしまうくらいだ。
「……あなたは?」
「私? 貴女のいたところで言うなら、『神』ね?」
「……神様?」
それなら、神秘的過ぎる美女の説明にはなるが……優雅にテーブルでお茶を飲んでいる様子だけだと、その紹介に納得が出来ない。
考えていると……彼女は私の気持ちを読んだのか、さらに可愛らしい声で笑い出した。
最初のコメントを投稿しよう!