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「もし、合ってたら、合ってる! って言ってね」
「うん……」
「俺たちは、今38。あと2年もすれば40。まだ、今ならやり直せるかなあ?」
と、言い終わってから、真っ直ぐ私の方を見た。
驚き過ぎて言葉が出なかった。
やっぱり、私たちは、同じことを考えている。
「合ってる?」
「……うん」
「ヨシ! そっか、良かった」とガッツポーズをしている。
「ん?」
「俺だけが思ってたんじゃないんだなと思って」
「でもね、大輝のことを考えると……」
「だよな。芽衣!」
黙って斗真の顔を見た。
「俺は急がないよ。大輝くんが成人するまで待っても良いと思ってる。でも、そんな状態なら夫婦は別れた方がよくないか?」
自分でもそう思っていた。事実を知ってしまった以上、毎日旦那様と顔を合わせるのは辛い。
それに、今でも、ほとんど両親に頼っていて、旦那様はたまにしか家に居ないのだから、もう居なくなっても何も変わらないのかもしれないとさえ思っていた。
転職したことで収入も増えたし……
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