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だからと言って、今すぐ斗真と暮らすのは、違うと思うから、やっぱり大輝が成人するまでは……と思っていた。
「大輝が成人する頃には、もう私達は、45だよ」
「うん、そうだね」と、にこやかに笑っている斗真。
「早い方だよ」と言う。
「え?」と私が驚いた顔をしていると……
「俺たちは、最初からは結婚出来なかったんだから、次は、お互い歳を重ねて、お爺ちゃんお婆ちゃんになった頃でも良いから、芽衣と同じ景色が見られたら良いなって思ってたから」
まさか、斗真がそんな風に考えてくれていたなんて思いもしなかったから驚いたし、嬉しかった。
「私もね、今すぐは無理でも、いつか一緒に居られる日が来れば良いなって思ってたの」
「ホントに?」
「うん。きっともう私は、斗真の赤ちゃんを産んであげられない。でも、ただそばに居たいと思ったの。
人の寿命なんて分からないけど、たとえ、それが最期の1年だったとしても良いから一緒に居たいと思ってる」
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