アイをシル

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地球の温暖化が進み、熱さでほとんど外出できなくなった人間は、地下フィルターでの生活を余儀なくされた。 しかし地上でしか育たない食物があったり、人間として生きていく上で欠かせないミネラルは海でしか取れないことから、人間はもてる知識を人型AI生成に注いだ。そして生成した人型AI に地上で必要な作業を人間の代わりに任せたのだ。 でも、そんな暮らしも長くは続かなかった。 熱さによって変異を起こした病原菌によって、人間は絶滅してしまった。 ──ただ一人、僕をのぞいて。 「レイナ大丈夫だよ、すぐに直してあげるから」 僕はポケットから、工具を取り出してレイナの頭の中を掃除しながら、回路を粘土で補給した。 「これでよし、と……燃料は……」 そして僕は右耳のカバーを閉めると今度はレイナの手首を掴み、右耳と同じくカバーを外す。 カバーを外せば手首からつま先に向かって内蔵されている血管を模した細長いタンクに赤色の液体が揺れているが、燃料切れランプのボタンが点灯している。
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