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社畜の世界
社畜は日々、上司からの八つ当りを食らったりする。この世界は社畜に厳しいのだ。
「佐久間君。これ、私このあと飲み会があって代わりにやっといて!」
いつものように、関口という女は佐久間にお願いをする。関口が佐久間へお願いすると、今か今かと大勢が頼みに来る。いわゆる佐久間(俺)は海であり、関口はファーストペンギンである。入りたての頃に佐久間は、関口のお願いを断ったことが有る。だが、次の日佐久間の嘘の噂が広まり、上司や同僚から避けられるようになった。だから逆らえないのだ。
「う、うん。置いといて。やっとくから…」
佐久間は、いつものように返事を返して机に顔を向けた。すると、いつものように関口以外にも仕事を頼まれた。
「あ、佐久間君。これも!」
「じゃあ、これもお願い」
「俺もなんだが、みんなのやるなら俺のも大丈夫だよな?」
「これ、よろしく」
次々に佐久間の机に仕事の紙が置かれて、あっという間に仕事の山となってしまった。
「分かったよ。やっとくね」
佐久間はまた、造り笑いをする。
(いっそのこと、死んで新しい世界で新しい暮らししたいな〜)
佐久間は、そんなことを思いながら仕事を続ける。
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