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「わかった?あなたは助けに行けないの」
「犯罪者だから見殺しにしてもいいってこと?」
「もう執行命令出されたんだもの。どっちみち止められないわ」
えっ?執行?
そのとき、スナックの扉が開いて女性がおそるおそる入ってきた。
第一の救助者だった女性だ。
「来てくれたのね!嬉しいわ。どう?少しは元気が出た?」
黒が満面の笑みで迎える。
「元気は出ませんけど、死のうと思うのはやめました」
「うんうんうんうんそれでいいのよ。お昼はもう食べた?いっぱい食べなきゃダメ!アキコさん、特製ヤキソバをお願い!」
なんだあのお節介ババアは。私にもあれぐらい優しくしろよと苛立つ月香をペーが店の隅に引いていった。
ぺーが小声で打ち明けた。
「あなたの無理な要求を私が飲んだのは、この運命を見たからなんです。この連鎖は奇跡的な運命でした。ここで終わらせていいのであれば」
そのとき、スナックのテレビに速報テロップが流れた。
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