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「誰か明日不慮の死を遂げる人を教えて。本人にじゃないなら教えてもいいでしょ?そして、回避したら代わりになる人が誰なのかも教えてよ。それも回避させたらどうなるかしら」
占い師は、それを聞いて好奇心が駆り立てられたように見えた。
小道具の水晶玉に手をかざすと、玉の内部がぐるぐると渦巻き、ひときわ暗くなったところで占い師が手を離すと何の光も発しない水晶の玉に戻った。
「いや、そんなことはしてはいけない。許されないことです!」
こいつは新米のペーペーで、難関に突き当たるとパニクるのは予想済みだ。師匠に相談に行くだろう。そこまで読めている月香はペーペー占い師の駆け込み寺を突き止めるべく尾行した。
占い師と月香は同じぐらいの年齢だが経験値が違う。人を見る目では負ける気がしない。
尾行に気付いているか否か、その占い師は場末のスナックに駆け込んだ。
月香は知ってる。ここを根城にしているのは、黒の占い師だと。
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