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「どうすればよいのでしょう?お師匠様」
「いいんじゃない?やってみたら?」
「え?いいんですか?」
「まあでもこれ、」水晶玉に目まぐるしく映る光を眺めて師匠は少し考えた。
「上手く行ったらいいけれども、途中で失敗したら目も当てられない悲劇になるのよ。その覚悟があるのなら」
師匠が店の隅で気配を隠しているつもりの月香に向かって放った。「やってごらんなさい!」
黒の占い師監修のもと、運命の死を変える試みがされることになった。
月香は少し後悔した。代わりに死ぬ人をずっと救助しないといけないなんて、始めたら私は死ぬまでそれを続けなければいけない。私が老衰で死んだあとは?責任が持てないじゃないか。人の生き死にを決めるなんてやはり人間ごときに許されることではない。
黒の占い師は私をとっちめるつもりなのだ。嫌な奴。
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