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第二話
~ジテン宅~
だらけジテン「ふぅい~で、ピッコロがオレンジににゃったわきゃだが――」
キャンディ【首:タオル(白)】【口:アイスキャンディー】【手:うちわ】「なんで私らそのままの勢いでドラゴンボール超スーパーヒーロー観てんの?」
「これ、悟空とベジータ出て来ない割にはおもろいな――というか名作なのでは??」〝いやもう行くとこないし〟
「JAXAはどったのよ」
「うーん乗り気しないな~; どーせNASAより矮小なんでしょおおお~?」〝スゴいぜアマプラ〟
「言い方あんじゃない?」
「手狭なんでしょお?」
「職業体験とかそーいうノリじゃないんだからさ~小学生の~」〝あたしらパーツ探しに行くんだDE? 宇宙船の〟
「じゃあいいよ~俺、熱戦・烈戦・超激戦観とるからさ~」
〝PINNPONNing~♪〟
「ほら、お客さんだよ?」
「ええ? 幻聴だよ~」
〝PINNPO~NNing♪〟
「ほら、鳴ってるよ」
「うち、こんなインターホンしてねえよ。こんなアメリカなまりなインターホンうちのじゃないね」
「じゃあなにか。隣家のか? 隣家ンがここに繋がってるとでも言うのきゃね。NASAだよ。NASAの御仁らがうちを突き止めたんだよ」
〝ガンガンガン〟
「SUMIMASEEEEEEEEEEEENN」
〝ガンガンガン〟
キャンディ「オラ、NASAからお客さんだよ」寝そべり、側面杖を付いていたジテンの顔面横に開いた三角地帯〝ぽっかり〟。そこに脚を引っかけ、やさしくふんあり蹴り飛ばし――〝バキバガキガキ!!〟窓を突き破り、自宅を訪ねていたNASAら黒服らの前へ。〝ズドン!!〟
NASAの一人「NIKAIKARAMEGUSURI!!」
起き上がるジテン「あ、違います。使い方違います」全身のほこりをぱたぱたり。して――「あれっ!?」「――さっきの警備員さぁん」
「オーソノセツハドゥーモ」
「無事だったんすね~心配してました~」(割かしウソ)
ALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPH
ALPHABET「はい。貴方方エイリアンのおかげで――無事解毒――監視カメラで観ました――ピザ臭くてまことに申し訳~」ALPHABETALPHABET
ALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPHABETALPH
「いや、それは仕方ないっすよ。だってピザ食ってたんすもん。誰しもあーなりますわ」ジテン、頬ぽりぽり。して。「それにそーいうのはキャンディ――あ、あのグレーの宇宙人に言ってください。キャンディさんって言います。呼んできますね、今」
玄関の扉を開けようとするジテン――〝ガタガタ〟――開かない。
「あ、そか。ここから出て来たんじゃねーや」上を見上げて――「うわ~なんちゅーことすんだよあのアバズレエイリアン……アバズレイリアン」
「ちょうい!!」〝シュタッ!!〟太陽から受ける逆光に暗くなるそれ――小人的シルエット。
腰元からこぼれるプリズムにジテンは腕で暈を作る。
着地――それことキャンディことアバズレイリアン。〝シュタッ〟
「誰がアバズレイリアンよ!」
「キャンディさん、飛び立つのと着地の音一緒でしたね」
「あ、あたしも気になった。ね。奇跡よね、奇跡」
「オーイノチノオンジーン! オンチュウジーン!」
目前に現れしキャンディを抱きかかえる警備員
「ライフイズビューティフル! ライフイズビューティフル!」
そのリズムに合わせて〝高い高い〟
「まだちょっちピザくさいわね」〝口周り〟
頬杖をつくジテン「今晩ピザにしようかな」
「あんたピザピザ※でいいの!?」〝てゆうか、人の口臭のピザ臭さでそそられるかね。晩飯決めるかね〟
※昼食ピザを食べて夜ピザを食べる事。
「え? 別に。同じピザでも――」
警備員「ゴイッショシテモ?」
ジテン「いいすけど、割り勘ですよ?」〝手持ちあり申す?〟
キャンディ「え。こいつ上げんの? さっき間接キスしたからちょっと恥ずかしい~」〝テレテレ〟頬に触手あててテレテレ。
警備員「手持チアリ申ス」
ジテン「間接キスってレベルじゃねーでしょ。全接してましたよ。ありゃ、もはやあれ性行の類い」
キャンディ「聞いて聞いて! 違うの! そんなつもりなかったのよ!」
警備員「…NASAカラ勅命アリ申ス」
ジテン「イヤ別に何も疑ってないですよ……だいたいそんな間柄ぢゃねーでしょ」
キャンディ「聞いて聞いて! あれは救助活動の一環!」
警備員「……大切ナ話アリ申ス」
ジテン「いや、キャンディさんがこっちの話聞いてくれますかね」〝アセアセ〟
キャンディ「所詮あーしらの関係ってこんなんで破れるくらいうすーい関係性だったのね」
ジテン「……そうですね…それこそキャンディさんの処女膜みたいに――」
キャンディ「だれがアバズレエイリエンよ!」
ジテン「キャンディさんでしょ。気持ちよかったですか? 全接キス」
警備員「……積モル話アリ申ス」
キャンディ「なんでそんな酷い事言うのよ!!」
ジテン「外国人のはデカかったですか?」
キャンディ「何よ、デカかったわよ!」
――胃袋の話。
ジテン「良かったっすね、日本人のよりもデカくて」
キャンディ「デカいだけじゃないわ。あんたのよりすっごい気持ちよかった。もう入れられただけで全身を包まれるような――」
――胃袋の話。
ジテン「もういい!!」
警備員「スミマセン、ナンノ話シテマスカ、コレ」
「「悪ふざけ」」
キャンディ「ささ、どうぞ上がってください」
ジテン「すみません、最近楽しい事尽くめでテンション保ってるんです。高めに」
警備員「……言イタイ事ダイブアリ申ス」
【悪ふざけ】――他人事だと異様につまらなく見えるけど、いざ自分がやるとなると結構楽しい。類義語に〝内輪ノリ〟があるが、お笑いは所詮どれをとっても悪ふざけの内輪ノリの領域。これが小さいか大きいかの違いなのだ。その中心人物が広くあまねく信頼されてるか否かの題目だけなのだ。これをやらなきゃ生きている意味が無い。
警備員「我が名前 ケービイン・ナコスー 言います.」
ジテン「さっそく悪ふざけぶち込んで来ましたね」
キャンディ「日本人はこういうの嫌いだろーNE☆」
ジテン「まあ、警戒しますよ。そりゃ。そんなレベルの高い事やってねーですし、世の中的に笑いにくいでしょーから」
キャンディ「まあ、お前特段おもんねーもんな」
ジテン「その自覚はめちゃんこアリ申スね」
ケービイン「その点 我々 ここに居るの宇宙人ツーに外国人――飽くまでもこの土壌から鑑みて外国人ワン.」
ジテン「うおぅ。急に入ってきた」
ケービイン「ウエスト クラッシャー すみません.」
ジテン「うえすとくらっしゃあ??」
キャンディ「おそらく、腰を折るって事だZE☆」
ジテン「もっと適切な言葉なかった?」
キャンディ「あ~英語圏の人だから末尾にピリオドあしらい打(ぶ)ってんのね」
ケービイン「ホワイ?」
ジテン「これ、飽くまで僕らにしか感じられないぽいすね」〝雀士みたいな言い方しますね 俺も言いたいな、打(ぶ)つ〟
キャンディ「ぶつぶつ言わないの。で? 話ってNANI?」
ジテン「お、ウマい」(――お~今回(この章)は話早そうだ)
ケービイン「まずは 私の 命を お救い くださり ありがとう ごぜます」
両人「「イエア~♪」」――親指・小指を立てて〝ふりふり〟
ジテン「――って、イエアしてる場合じゃないでしょ。我々、不法侵入やらかしてンすから」
キャンディ「で? あたしら捕まんの?」
ケービイン「ノープロ」
ジテン「お~話早い」〝なんたってブレム分早い〟
ケービイン「我々からすれば不法侵入そもそもどでもよかた.」
ジテン「ほぅむ」
ケービイン「我々君達宇宙人の情報ほしかた.」
キャンディ「にゃるらとほどふ※ね。で、なんか諸々かこつけてあーしら実験&解剖したかったワキャね」
※なるほど的なニュアンス
警備員「そういうワキャです.」
キャンディ「こいつ結構ノリいいわね☆」
ジテン「なんか嫉妬しますわ」
キャンディ「おめーつまんねーもんな」
ジテン「乗り換えるのやめて~アメリカからの使者~」
ケービイン「我々、あなたがたと条約むすびたい.」
「「お~」」目を丸く――〝キラキラ〟とするふたり。
キャンディ「つきましてWA 宇宙関連のパーツや宇宙服拝借させて頂けTARI~?」
ケービイン「イエア♪」
二人「「イエア♪」」
三人「「「イエア~♪♪♪」」」――イエア指※を振り合わせる三人。
※イエア指――親指と小指を立てたポーズ。これを振り合わすと、その場にハワイアンな風が吹く。
〝ぴたっ〟――止まるキャンディ。「で? あーしらはなにすりゃいいの?」
ジテン「そか」(――なんか交換とかあんのか――こっちから出すものっつーか)
――〝ぴり〟――〝ピリリ〟――ハワイアンな空気が、一気に神妙な空間に。して。
ケービイン「ノプロ」
ジテン「話早いなあ~」〝更に早くなってる〟
キャンディ「マヂ?」
ケービイン「イエア♪」にこやかなえくぼを生みながら、例の指を振る。「ワタシの命それと引き換えになりまーす.」
ジテン「え~よかったすねキャンディさ~ん」
キャンディ「NE~☆☆」〝ご機嫌二つ星~〟(――んなワケがない――なんだ――NASA(コイツ)ら何が目的だ――あれで――もうあたしらのデータ収集出来たってのかしら)
ジテン(疑いスギですよ~キャンディさ~ん)
キャンディ「あんたピザとってきなさい」
ジテン「ん? え? はい――」何かを悟り、部屋を出て行くジテン。
見つめ合うや、残るご両人。
〝じいいいいいいいいっっ〟
【指を振る】――ポケモンに於けるわざのひとつ。これを使うとランダムに、全て(?)の技の中から何かひとつが選択され、繰り出される。ギャンブル技。それゆえ愛好者も多く、それだけを使って戦う、完全なる運競いの大会も主催される事もある。ピッピやミュウツーのイメージが強い(しらねえよ)。いや、ミュウツーよりミュウか?(だからしらねえよ)
???「首尾はどうか」
電話を握るケービイン。表情は険しく、そして影を帯びる。して。
「――イエア.」
???「いえあ――? え? な、何良かったの?」
ケービイン「あ、あひ、し、失礼しました。何事もなく――多少疑われはしましたが――」
???「うむ。上々か――ならばよい――」
ケービイン「で、では!?」
・・・・・・・・・・・・
???「ああ。家族の元にでも帰るがいい」
ケービイン「あ、ありがとうございます!!」
???「それとだ――」
ケービイン「はい?」
???「あまり黒幕をあたふたさせるなよ――」
ケービイン「す、すみません!」
???「殺しちゃうよ? ひっそり」
ケービイン「すみませんッ!!」
???「ねえ。愛しの家族ごと――」
ケービイン「そ、それだけはッ!!」
???〝ゴホン〟「分かればよいのだ。通信は以上だ」
ケービイン「し、失礼しました!!」
〝ブツッ〟
空を仰ぐケービイン。
「――すまないジテンくん……キャンディさん……」
・・・・・ ・・・・・・ ・
【ルビ】――約物の一種。文章に於いて、強
・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・
調したい文字に振る傍点の事。小説に於いて
・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・
は読点を用いる事が主流であるが、このお話
・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・
に於いては中黒を遣う。(小説よりも漫画に影
・・・・・・・ ・・・ ・ ・・・・・・・
響されたもので)。この通り、遣い過ぎると点
・・・・・・・ ・・・・・・・・
字みたいになる。ご利用は計画的に。
【ケービイン・ナコスー】――本名はフラドリー・ウィスナー。上記の事情により偽名を使っていた(信じる方もどうかと思うけども)。
~ジテン宅~ ~すっかりとっぷり夜~
キャンディ「おやすみ~」
〝かっち――〟電灯に繋がれし紐をくいっ。〝――ん〟
暗くなる部屋。
ジテン「こすみ~」
キャンディ「なんそれ」
え?「おやすみこすみ――親――父親母親の親に、すみだから子すみ――って、まあ、あんまし面白くないですけど」
顎に手を当てるキャンディ「――いいわね、それ」
ジテン「あ、よかったんだ」
キャンディ「…ほら……ほら」
ジテン「え? なんすか」
キャンディ「いやン。もう勘悪いわね……おやすみって言いなさいよ」
ジテン「え? 言ったじゃないですか…もう」
キャンディ「いいから!」
ジテン「お、おやすみ」
キャンディ「こすみ~☆」
ジテン「あ、それ言いたかったんだ」
キャンディ「言いたかなるに決まっとるでしょ! おやすみこすみ――っく☆ おやすみこずみっく…☆」
ジテン「はい、もう宇宙関連。キャンディさんに掛かるとすーぐ宇宙関連のモノにされちゃうな~☆ 明日はもう宇宙ですもんね~」
キャンディ「。。。。むにゃ」
ジテン「え!? 寝言!? い、いつから!? 今の全部寝言だったの!?――かな!?」
しーん。
ジテン「寝言だったんだ……てか、宇宙人って寝るんだ……睡眠要するんだ」〝何時間くらい寝るんだろう〟
キャンディ「おっはよ~っっ!!☆」
ジテン「おはよう過ぎる! それは流石におはようございま過ぎるよ!!」
キャンディ「。。。。むにゃり」
ジテン「……てゆう寝言か」〝また騙された〟
【おはようございます】――日本国に於ける朝の挨拶。ドイツではグーテンモルゲン(かっこいい)で、イタリアはボンジョルノ(これもかっくいい)。ちなみにハワイではアロハ。もうここではなんでもアロハ。ハワイではもうなんでもかんでもこれで済ます(風土と云うか、おおらか感が挨拶に出てる)。ホントに聞き分けられるのか問題。もうほとんど魔法の言葉。アロハと伝えたい時にもアロハで済ます(?) しまいにはこれで愛の告白をやってのける。きっとこの世界の共通言語は英語じゃなくてアロハだと思う。高橋厳(たかはしきび)談。
――しまいにはこれでシャツまで作る(まだ続いてた)。だって、日本で言うおはようございますシャツだよ? そんなもの痛シャツじゃん! アロハを3年程与えたアロハから抽出したアロハを製糸してアロハ水で沈着したものをアロハしたものがアロハシャツ――みたいな説明してそうだな、ハワイでは。……これ、おはようございますの説明項目だったよね? まあ、そこんところアロハでよろしく。
~そして朝、且つそしてNASA~
NASAの人「ミナサンオハヨウゴザーマース」
キャンディ「結局カナ表記に落ち着いたのね」
ジテン「色々めんどくさいスからね」
NASAの人「ホワイ?」
ジテン&キャンディ「「あ、こっちの話~ス」」
NASAの人「イエア」
ジテン「あれ?」キャンディ「それ!?」
NASAの人「オ~ コンニチ カラ NASA ノ アイサツ コレ ニ ナリマ~スシタ」
ジテン「朝の挨拶みたいに言ってますね」
キャンディ「NASAの朝のアイサツだね」
ジテン(――おはようでござ~る~)
キャンディ(――なんそれ)
ジテン(――あ、え~なんつ~か……童謡?)
NASAの人「デハ コチラへ ドーゾ~」
案内される二人。〝ザク〟〝ザク〟歩く歩く。
キャンディ(童謡――子供向けの歌ね)
ジテン(なんか好きなんすよ――この歌――ちょんまげマーチっつーんすけど)
キャンディ(ふーん)
ジテン(――にしても、俺達が流行らせたんですかね?)
キャンディ(ちょんまげマーチ?)
NASAの人「スリッパ ハキカエテ クダサーイ」
ジテン「あ、はーい」(いや、分かるでしょ――イエアですよ)
キャンディ「あったし浮くからダイジョーブ~」〝ふわわ~ん〟(マジにDOοナってんだRO~ね☆)
ジテン「いや、お前がどうなってんだよ!」「ドラえもんじゃねんだぞ!!」
中空に浮遊し、ふわりふわりと高低を浮き沈むキャンディ。して、その左右の腕触手をS字に構え、その高低に合わせて〝うんにょりうりょりろ〟と蠢かしている。「ほよよ~っ」
ジテン「なんでアラレちゃん!?」
キャンディ「いちいちうっせーな小僧が。そんなに大したボケ扱いてねーんだからいちいちはしゃぐな。なあ、修学旅行か」
ジテン「ほぼそのノリなんだよ! だってよ! ナーサーなんだZE☆!? こんなのテンション上がっちゃうよおおおおッッ! ほらもう! 入り口にエンジンらしきものの置物あるよおおおおッ! これ原寸大!? 等身大!?」
NASAの人、頬を赤らめ――「イエア」
ジテン「うおおおおおッ! NASAの人おおおお!!」
〝がしっ〟
抱き合う二人。
キャンディ「なんで?」
ジテンとNASAの人、頬ずりを企てながら――
ジテン「女の人には宇宙のロマンなんて分かんないんだい」NASAの人「イエア」
キャンディ「あーし、その宇宙空間に暮らしとるからね」
NASAの人「ホワイ?」
キャンディ「あ、あーし宇宙人なの」
NASAの人「リアリ?」
キャンディ「なんで三文字縛りなの? さっきフツーに喋ってたのに」
ジテン「セリフ考えんのめんどくさいんじゃないすか?」
キャンディ「チナミにそいつも宇宙人よ?」〝ブンハン※だけど〟
※半分の業界用語風味な言い方。
NASAの人「ジテン?」
ジテン「確かに三文字だけどね」〝名乗ったっけ〟
NASAの人「ツイタ」
ジテン「ドコまでイケるかな」
キャンディ「見物ね」
NASAの人「ココヲ」
そう言ってNASAの人は扉を指さす。
ジテン「もう逆に三文字限定の方が辛いんじゃないのかな」
・・・
キャンディ「今のもトビラでよかったしね」
NASAの人「スマヌ」
〝がっちゃり〟――ジテン、目下、扉、開く。
【メタ】――メタフィクションの略語。創作
GENNJITU
の世界に於いて、大いなる世界――こちら側の世界が有り物としてありますよと報せてしまう方法。やり過ぎると興が削がれ、どっちらけになる可能性が高い。その為、扱いにはセンスやバランス感覚が問われる。――ンが、本作は、元よりそんなセンスないので出来る限り盛り込む方向性。これにセンス良くバランス良く成功している有名な作品は映画「デッド・プール」シリーズ。
~NASA・小さな部屋~
ジテン「うおおお! コレすか!」目玉が飛び出す。
ジテンが前にひけらかされし現物、それは銀色――鈍銀の塊。
キャンディ「あんたそれ癖になってんね」
その塊、中腹から動物の肋骨のようにして蛇腹具合の駆動部が窺える。
ジテン「最近、涙腺緩くって…」
それはまさに――
キャンディ「そういう時に遣うやつぢゃネーでSHOW☆」
エンジン。NASAが開発せしめし、宇宙船用エンジン!!
ジテン「でもあれですね、何かバイクのエンジンみたいすね」
キャンディ「だってそうだもん」
ジテン「はえ?」
キャンディ「これであーしの宇宙原付直すんだ~☆もん♡」
――原付用エンジンでした。
ジテン「え!? 宇宙船は!?」
キャンディ「は? 幾らすると思ってんだよ。この惑星のマニィで」
ジテン「でも俺達人救ったじゃないですか!」
・・
キャンディ「でもあし達、不法侵入したじゃないですか!!」
ジテン「それはそうだッ!! だ、で、でもっ それって打ち消しあうモンなんですかね!!」
キャンディ「お前、人一人の命でバイクのエンジン貰えてんだぞ?」〝ママワガ※~っ〟
※わがまま
キャンディ「――お前、ワガママだよ」
ジテン「めっちゃ言われた! 小分けにされてめっちゃ非難された!」〝何か四回言われた気もする〟
NASAの人「オマエ ワガママ」
ジテン「NASAの人にも言われた! ルール解かれた上で、もう行っちゃえで言われた!!」口を顎より下に擡げ――大きな口を縦に広げながら、その歯は瞬間的に尖りをみせている。「で、エンジンだけで良いんすか?」〝俺ァ、エンジンもらいに行くとしか聞いてねースけど〟
キャンディ「うん。あとね~まだまだ貰うもんRよ~☆」
ジテン「人一人の命で!? まだ!? ガメツ! キャンディさんガメツ!! ねえ――」そう言ってNASAの人を窺う。
NASAの人「コチラ」差し出す手。〝コツコツコツ〟――乾いた足跡。
そちらの方へ歩いてゆくキャンディ&NASAの人。そのすがら、キャンディはジテンとすれ違い――
キャンディ「しーん」
耳元に〝しーん〟
口元に掌を当てながら――
すれ違い様に〝しーん〟
ジテン「…うるせえな」
〝きゃきゃきゃ〟と笑うキャンディ、奥の扉へ消えてゆく。
ジテン〝ちっ――〟舌打ちを扱きながら――〝がつんっ〟台座の上に置かれていた〝エンジン〟を軽く小突く。脚で以て。
ぐらぁり――エンジンは持ち上がり――〝ゴロン〟そのまま床に真っ逆さま――
――の、そのタイミングでジテン〝ガッチン!〟とキャッチ!! がっちりキャッチ~!!
ジテン「あ、あう゛ぃねええええ~ッッ」(――肉体パワーアップしてんのワスレてゅえてたあああああああッッ!!)そっとエンジンを台座に戻し、その勢いで額を拭うジテン。心臓〝バクンヴァクン〟――あまりの驚きに、少しだけ表面に心臓が浮き出――沈み――浮き出ては沈みを繰り返している。
飛び出す寸前であった。
ジテン「あ~もう、ロクな事にならない」(――俺、物に当たるけど、大概ロクな事になんね~のよネ~)そう呟きつつ、ジテンは二人の後を追う。
【物に当たる】―― 一般的によくないとされる事。行為。ストレス発散法のひとつ。だけどもだけど、個人的にはこういう人間が居てもいいと思う。バレなきゃOK~♪ 物に当たる時は、なるったけ柔いものに頼ろう。枕をぶん殴るとかおすすめ。オラァ!!〝バスン!!〟でも、長年使い込んでいる枕は要注意。もしかすると魂が宿り、付喪神と化している可能性アリ。〝バスン!!〟――いでっ! ほら。
ジテン「物を殴って良いのは物に殴られる覚悟のある人だけですね」
キャンディ「オマエナニ言ってんの?」
ジテン「あ、じゃじゃ――じゃっば――」
追いついたジテン、うっかりポカ※
※うっかりミスって言うけど、そもそもミスってうっかりなものじゃない?(メンドクセーヤツ)
ジテン「あじゃ――何も蹴ってないです! と、当然のものを蹴ったまでです! あ、ば、ばいくって蹴るもんですもんね!? ああじゃあもう、大いなる意味では一緒です! ――もんね!? ね!?」
大きなつぶらな※瞳を細め――ジテンを見つめるキャンディ。
※矛盾してるけど、ニュアンスで受け取って。
ジテン(あ、やばいやっばい――見抜かれるゥゥ――)片目の下に集中線的隈を生み出しながら――ジテンは手を壁に張り付くヤモリのようにして、大きくたじろぐ。
キャンディ〝ちぃ〟――そう舌打ちするままに振り返るキャンディ。
ジテン「あれ?」
キャンディ「――お前…なんかしただろ……」
ジテン(――読めてない!?)
キャンディ(――テメー心が強くなってんだよ、クソが――あーしでも読み取れねー部分出て来たぞチクチョー☆)
と言いつつ語尾に星をあしらう辺り、キャンディは嬉しそうである。
ジテン(――頑なに隠そうとする部分があると――それが読み取れない??)
キャンディ(んだんだ――いいね――イイ予兆だ――発想力が豊満になってキタしょーこYO♡)
ジテン(――そか……宇宙人てみんな心突き抜けサトラレじゃんと思ってたけど――こういう事が出来るのか)
キャンディ(だね。エンジン蹴り飛ばして落とし掛けた事とか黙っとかないとナ)
ジテン(うげェ! バレたァ!!)
キャンディ(ホッとして心緩んでんだよタコ助が!)
ジテン(まさか宇宙人にそれを言われるとは思ってもみなかった!!)〝ガーンン!!〟“どちらかというと言う側かと”
NASAの人「ンア? 二人シテ何黙ッテル?」
ジテン「あ――いや、出来ればダマでいたかったっス」
NASAの人「ホワイ」
キャンディ「くすくーす」「で? この物言わんとする、なんか言いたげな布掛かってるやつが――」
NASAの人「イエ~ア」〝ばさり〟――布を剥がす。
ジテン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」その瞳まるで地球が如く。いや、実際に地球が二つ宿っている。――と、化している。きらきら~っ。して。
ジテン「宇宙服だああああああああああああああああッッ!!」
〝ババーンン!!〟
そこにあったのは、夫婦と見紛う赤とピンクの宇宙服×!!(2)
【宇宙服】――人間が宇宙空間で活動する時着用すべし服。2023年近年、様々なデザインの宇宙服が頭角を現しつつある(その頭角が宇宙服に引っ掛からないといいけど)が、頭でっかちなデザイン(電球めいた)の方がやっぱりかっくいい。一基(かっこいいからこの助数詞で)につき云十億円とか製作に掛かる。その道の人曰く人型の小さな宇宙船――との言葉。これには頷く他ない。〝うんうん――云十億円〟
~NASA・個室~
キュイーン長官「表に出ろォ!! 我々が作り上げた丸特秘密科学宇宙空間活動兵器で貴様ら郎党ひねりひしゃげてくれるわァ!!」
ジテン「よく噛まずに言えたな~」
キャンディ「それどころじゃねえでしょ!! 謝りなさいよ!!」
ジテン「やだねん」
キュイーン長官「いいや謝ってもゆるさん!! 表に出ろォ!!」
キャンディ「ああもう――揉めるつもり毛頭ナイ(宇宙人だけに)ンだけどナァ~」
キュイーン長官「言い訳など無用!! いいから表に出んかい!!」
キュイーン長官「私がNASA――アメリカ航空宇宙局局長ぉ!! ウガーリン・キュイーン長官であるぅぅ!!」
~NASA・中庭~
キュイーン長官「でね~最近犬飼いだしたんだけど~」
ジテン「うんうん」
キャンディ「もう始まってるよ」
〝シュババッ〟距離をとるジテン&キュイーン長官。二人が座っていた座椅子がかたかたと揺れる。
キャイーン長官「ハハーハー!! 俺はもう怒り心頭ふつふつよぉぉぉ!! こうなったらお前らにスゴいものをみせてやるぅぅ!!」
キャンディ「もう遅いよ。キャイーンになってるし。犬の鳴き声みたいになってるよ。犬の話なんかするから」
{そうなのか?}
ジテン「あばのぐううううん」
キャンディ「ちと黙ってて大木野郎」
キュイーン長官「ダーターで機密兵器をくれてやると思うたかァ!!」
ジテン「あれ、ホントは何で怒ってるんすか?」
キャンディ「タビン※ね、あれ、試用テストしたいんだと思う、自分の開発品を」
※多分(それすら、それごと多分)
ジテン「あ、なるほど、僕ら体よく託けられたワケですか」
キャンディ「うん」〝イヤ、テイヨイカ??〟
キュイーン長官「誰のメカがカッコつけだってええええ!? もう怒ったぜえ!!」
キャンディ「もう怒ってたよね」
ジテン「はい。んで、バギーみたいなすれ違いかましてますね」
キャンディ「うん。なんかもう強さが透けて手に取れるね、そのキャラクター性に」
〝ブォォォオオオン!!〟
キャンディ「――何この駆動音」
キュイーン長官「無視すなああイ!! これぞッ! 持ち得るNASAの科学力を結粋※せしめたNASAのNASAによるNASAの為だけの超絶ウルトラスペース秘密機密の悪口チャンス科学兵器! 〖アーマー・テラーズ!!〗いずれはこれで全宇宙征服を企むんじゃあああ!!!」
※粋を結集したと云う意味合い
〝ばばーん!!〟
キュイーン長官が着込みし外装、まるでロボット!!
――どのようなロボットかは各々の想像にお任せしたい。(それゆえの悪口チャンス(でもやさしく投げかけてね))
キャンディ「屋号が凄い複雑」〝途中、卑下みたいの入ってなかった?〟
ジテン「ちょっと待ってください――」
キャンディ「なに?」〝怖いの?〟
ジテン「――かっく良くねえすか?」
キャンディ「は?」
ジテンの瞳に大なり小なり光が宿る。
ジテン「見た目も然る事ながら、云うに事欠いて、あ、アーマー・テラーズ――着込む!鎧と、地球!テラ! そして恐怖と云う意味のテラー!! それらを余す事なくモジり切って、その上で日本神話の大御神! アマテラスと掛け切っているゥッ!!」
キュイーン長官「わァかるか小僧ゥ! この格好良さがァ!! 俺は日本神話が大好きなのだあああああ!!」〝OH MIKAMI YO~〟
ジテン「敵ながらワッかる!!」〝ウチ、掛け軸飾ってるもん〟
キャンディ「え~……」
〝キュイイイイインッッ〟
キュイーン長官「掘削! 掘削ゥ!! 宇宙空間では常に掘削との戦い!!
(そうなのか?)
日々掘削毎秒くっさぁぁぁぁく!! ――それを可能にするのがァァァァ!!」
細いメカ腕から物質観点を無視して飛び出すドリル。〝ぐわちーん〟〝!!〟およそ分子の再構成でも行われていない限り説明がつかない。
キュイーン長官「このッ!! 通称ナサニウム(特許出願中)で造り出されたその名もドリンキング・ドリル!! 掘ったバーソー※から飲
スムーズィ ※そば
むようにして土を液状にするのだああああ!! どうだいぃ~NASANASAしてるだろ~ぅい!!」
ジテン「くわああああ!! NASANASAしてやがるぅぅう!! よく分からんが予想より遙かにNASANASAしてやがるぅぅぅう!!」
アナウンス(ご想像中のロボットをよりNASANASAしている感じにしてお楽しみください。)
キュイーン長官「それを今貴様に強かに振る舞ってやるッ!! 舞えよ土粉!! 浴びよミネラル!! くらえッ!
エーキー・ジョーカー・ゲイン・ショー
【福神切札収益展示会】!!!」
ハシ
それまで以上に疾る掘削先端部――そのはやまりと共に、そこに小さな突起が露出――浮かび上がる。〝カチカッチーン〟
それがジテンにDOOOOOOOONNNN!!!!
キュイーン長官「ハハーハアアアア!!! ぬうぬッ!!」
〝ぐぐぐっ〟しかしジテン、それを受け止めつつ――「いでェ!!」
受け止めし指帯に食い込むドリル。びしびしびし――接着面より流血多々ッ!! しかし!!
ジテン「うるりラああああ!!!」
それを振り捌く!!
キュイーン長官「やるなァ! さすがに宇宙人!!」
キャンディ「半宙人だってう゛ぁ」
〝ジャリッ〟――ジテンの足底が擦れて唸る。
ジテン「キャンディさん…手を出さないでください……これは男と男の――いいや。男の子と男の子の戦いですッ!!」
キャンディ「好きにしろやもう」
ジテン「勝ってそれも貰い受ける――」
キャイーン長官「この〖アーマー・テラーズ〗をかァッ!! どしどしドシラソ度し難いィッ!!」
再び振る舞われるドリル。しかしそれを既で躱し――飛び上がりしな、メカ腕の関節部を〝とん〟と跳び箱の要領で押すジテン。
〝バゴオオオオオオム!!〟〝がァりガリがりがりいいいいいいいいいいいい〟
放たれたドリルは、長官自らの社屋に振る舞われた。
ジテン「違うっ――そのネーミングだ!」
キュイーン長官「なにィ!?」
ジテン「俺はこれから旅に出る。冒険に出る――その過程で様々――もうそれはそれはさまっざまな生涯に出会う事だろう――」
キュイーン長官「――」
ジテン「中には悪性のウチュージンと戦う事もあるかもしれない!!」
キュイーン長官「して? だからどうしたというのだ――やはりこのアーマー――」
ジテン「違うッ!!」
長官〝!?〟
ジテン「そしてそんな時――道を拓いてくれるのはカッコイイものだ。俺がかっこいいと認めるものだ。俺は今から何の情報もなく海へ出て往く――そんな中、かっこいい技が必要なんだ! 道を切り開いてくれるのはかっこいい必殺技なんだ!!!」
キュイーン長官「――?」(――いやしかし――やはりこいつは男の子をしているッ!!)
ジテン「何の知識もなく、アドリブでやって行く以上――その場その場でどうしても技の名前が思い浮かばない事もある!!」
キュイーン長官「――まさかお前ッ!?」
ジテン「そんな時! お前のその〝アーマー・テラーズ〟!! その名前を遣わせてもらうゥゥゥッッ!!」
キュイーン長官「なンだとォ!?」
ジテン「――だからよォ――邪魔だァァ!! それエエエ!!」
〝豪ッ!!〟
ジテン「こんなもんがあったらアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
その怒号と共に膨れ上がる一の腕〝ぷくぅっ〟そのフック気味の拳が、「ぶォウッ!!」???の左頬にHITする。
ジテン「俺がその〝名前〟を遣えねェえええええええええええええええええええええッッ!!」
キュイーン長官「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」
ジテン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!」
〝ヴァゴオオオオオオオオオオオオッッ――〟
〝ミシミシィ〟――〝ヴァキィッ!!〟【アーマー・テラーズ】――その胴体部に穿たれるは穿孔。ドリルはなくとも。物は貫けるのだ。その者に意志の強ささえあれば。
キュイーン長官「カハッ…!」(コイツ――やはり男の子していやがる!!)
ジテン「〝ハァ〟〝ハァッ〟――〝はあ――〟」
肩で息をするジテン。その姿は逆光と共に。
キャンディ「……なんだよコイツらもう」
背中向きのジテン「――どうでしたか――?」
キャンディ「感想なんてないよ。見てないよもう」
ジテン「この力で――キャンディさんがくれたこの力で――僕はキャンディさんを護ります」
キャンディ「いいよ、もうそういうの。自前でやるよ、もう。なんか話しかけないでよ」
ジテン「見てますかキャンディさん」
キャンディ「こっち向けって。なんで背中越しに語ってくんの?」
ジテン「見てますか――キャンディさん――」
【シカト】――無視をする事。
~NASA・職員宿舎~
ジテン「……いやァ、あのNASAの旦那ァ~あっりゃあ強敵でした~」
キャンディ「あそう」
ジテン「俺があいつのドリルをこう、ガッと受け止めてですね~」
キャンディ「もう分かったって」
ジテン「で、それから俺がこう、ピカッと光ってね――」
キャンディ「あ?」
ジテン「こう、ぶわしと拳を突き上げて――光を、こう大らかなれど力強き拳をアッパー気味に突き上げてやってですね――こう叫んでやったワケですよ。サイカチ座あああああッッ!!」
キャンディ「おめ、それ顛末変わってね?」
ジテン「んはい。自分で話してて飽きてきたんで、ちょっと盛りました」
キャンディ「ちょっと盛ったじゃねえよ。あと、おまえさん必殺技、恐竜縛りじゃねーのかよ」
ジテン「ん――まあ、ド頭の二項がたまたま恐竜してただけでそこはあんまし決めつけないようにします。なんかその場の流れで」
キャンディ「ん? そんなんでいいの?」
ジテン「こういうの――何かを創り出すに当たって、先入観が一番の天敵ですからね。決めつけるともうそれが重しになりやすから」
キャンディ「い――――――ちり、あるじゃねえかコイツぅ…あんな戯けた戦い果てた後で」
ジテン「次からはちゃんとやりますよ。でもま、何にも縛られず――要はかっこよけりゃいいんすよ」
キャンディ「どうぅきゃらあの戦いがそもそもカッチョウ良くねかったって扱いてんの!」
ジテン「俺はふざけてる人が一番格好良いと思いますけどね。どんな状況に於いても。笑顔を忘れない人が」
キャンディ「んーむむむ――」
ジテン「どしました?」
キャンディ「もういいっ!」〝ぷんすかぷん〟膨れたキャンディの頭部――そこからどういうワケか蒸気が噴出する。
ジテン「いひ~ごめんなさい~」
キャンディ「もういひッ!!」
ジテン「あ、よかったあんまし怒ってな――」
キャンディ「いつか放てよ? サイカチ座」
ジテン「時がくればね。そもそもアイツ、本気出すほどの敵じゃなかったんスも~ん」
【サイカチ】――マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の植物。赤く、とうがらしのような実を成らす――が、本項目または先のジテンが指したサイカチとはこの事ではなく、それに喩えられたとある昆虫の事。そうカブトムシ。カブトムシは、時の頃なら〝江戸〟――その時代、カブトムシはサイカチムシと呼ばれていたらしい(らしいと云うのはその時代を駆け抜けてはいないのでどうしても断定はしかねる)。
いつ如何なる時代を馳せようと、永遠なる男の子の憧れ。そう。それはカブトムシ。大人になってもこれにテンションを上げていきたい。日本の誇りだよマッタク。
~NASA・エントランス~
ジテン「あんたのメカスーツ――男の子してたぜ」
キュイーン長官【服:制服(白)】「へっ。よく言うぜ」
キャンディ「ああ~…… まだやるんだこれ」
ジテン&キュイーン、握手。〝がしぃッ!!〟
ジテン「俺、色々宇宙を見回って――それで、地球帰ってきたらここに務めます」
キャンディ「地球旅立つってのにもう一番の朋友見つけてんじゃん」〝ずっとここにいろよもう〟
キュイーン「それは学歴的に無理かもしんない」
キャンディ「あ シビア」
ジテン「へへっ――それにしてもあんたのドリル――へっ――中々のモンだったぜ……」
キャンディ「よく戻れンね」
キュイーン「よせやい。お前の放ったサイカチ座――ありゃあ効いたぜ……」
キャンディ「もういいよ。ね、これなんの口裏合わせ? いつ合わせたの?」
ジテン「いつかドリル座も繰り出しますね」
キャンディ「それも貰うんかい。テメーだけ手土産豊富だな」
ジテン「あと他にないすか?」〝男の子っぽいやつ〟
キャンディ「てめィでドタマ捻れや!!」
〝パコオオン!!〟
【冗長】――長ったらしく、話が進まず、読んでられない事(すみません。流石にもう地球出立します)
~例の裏庭~
ジテン【服装:ツナギ(赤)】「で、これをくっ付けてと」
〝かちり〟――パーツが嵌まる。
〝ふぃ~〟――スパナ持つ手で額の汗を拭うジテン。そしてその胸元にはNASAの文字。
キャンディ【服装:ツナギ(ピンク)】「およ。そんでこれを取り外してと――」
〝りちか〟――パーツが外れる。今し方ジテンが取り付けたパーツが。
ジテン「で、これをくっ付けてと」
再び取り付けられるパーツ。
キャンディ「で、これを外して――」
二度あることは――
ジテン「ちょっとキャンディさん!!」
キャンディ「っ待って待って! ミナまで言うなぃ! あたしもボケたい!!」
ジテン「にしても――」
キャンディ「いいじゃん。もう原付は完成してるんだから――」
ジテン「まあ、してますけど」
既に原付にはエンジンや諸々が組み込まれ、駆動出来る状態にあるのだ。つまり――
キャンディ「はい、一種の叙述トリックの、あの――その、一環でした~ッッ☆」〝ばい~んっ〟
ジテン「名だたる小説歴史の中で史上、一番しょうもない叙述トリックだったでしょうね」
キャンディ「で、これバイクの代わりに何作ってた事にする?」
ジテン「え? なんかプラモとかでいい――」
キャンディ「米でいいか」
ジテン「いや、稲作にパーツとかねえから」〝コンバイン?〟
・・
キャンディ「はい、じゃケツ乗って~♪」
ジテン「いよいよ出立ですね」
キャンディ「だいぶ待たせたね」
ジテン「いや、ホントよ」
〝ぶるるる~ん〟
そして原付バイクに乗った二人の宇宙服が空高く舞い吹かす。
【叙述トリック】――文章だけで表す事を逆手に、読者に違う想像――ミスリードを誘う文章法。これが巧みな小説は名作の証しだが、本作に於いては全くと云って良いほど関係の無い高嶺の花的高等技術。高嶺の花とろうとすると頭痛めちゃうよ。らしくいこうぜ。それがない小説でも面白いものはいっぱいあるんだ。
――油断するとじゅじゅつとかじじゅつで変換しようとしちゃう。これがもうなんらかの呪術じゃねーのか?
・・・・・
正しくはじゅじゅつ。
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