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第四話
前回のあらすじ。
驚きに戸惑い、溶けかけたキャンディはもうそれはそれはお話にならないのだ。
~火星・着陸地点~
とろとろキャンディ「ほへ~」ほとんど道ばたで晴天さらしたモモ状態「でえじょぶかなジテンきゅんんんん」←聴いてた「あっしはもうどめでやんすよほお~がんばってくらはいジュテームく~ん」
【ジュテーム】――地球フランス辞。愛を説く言葉。要はアイラブユー。混迷の折の告白はノーカン。でもキャンディは本当にジテンの事を好きだと思う。
~火星・ジテン地点~
〝とことこざくざく〟
火星の表皮を進むジテン(火星内から上見上げると、意外と宇宙空間透けて見えないのよね~。積み重なった土層?みてーな色の層が地球で云う空辺りに浮かんでるし。ま――火星だし、火層ってたとえでいいか~茶土ってより赤土寄りだしね~)
アカ
捉え直した彼の云う通り、空は全面紅まみれ。
野太い声〝うわあああああッッ!!〟〝かちーん〟〝ギャキン〟〝ぶおおおおんおんおん〟〝バキャッ〟〝しゅぱぱぷる~〟
ジテン「んお? なんか向こうのくぼみの奥からなんか聞こえんぞ」
〝ぴゅーん〟〝たったたた~〟くぼみに腰を下ろし――のぞき込むジテン「ぬわんじゃァこりゃア!!!」
そこに御座すは、直立するイカ風味の(いかぼった)生き物と、同じく直立せしタコ――その大群。しかしそのサイジングはおよそ人間大である。それらがポッキーのような一本字のビームサーベルを振り回し、或いは光線銃を手に取り、火星が噴煙、振り撒かれる中で争っている。
ジテン「なにコラタココラ!! イカコラ!!」ジテンは目玉を目前(――言葉の齟齬はあるものの)に飛ばして、おののく。
ある者は持ち得る8本の手足にビームサーベルを持ち。〝ぶおんぶおん〟
またある者は、10本の手足に光線銃を持っている。
基本的イカタコ武装図。
イカ勢【:ビームサーベルor光線銃×10】
タコ勢【:ビームサーベルor光線銃×8】
以下、紛争。
〝どわあああああああああッ〟
〝ヴォンう゛ぉーん〟 〝やれやれ――ッッ!!〟
〝ナニコラタココラ!!〟〝このクソボケイカがあああ!!〟 〝ボヒューン〟
〝やったらんかい!〟 〝どぐされ水星人!!〟〝ちゅどむむーん〟〝むむちゅどーん〟
〝煙で見えねェんじゃコラ!〟〝ワテらは煙ン中は大の独壇場やサカイ!!粉モンゆーてな!!〟〝ばひゅーん〟
ジテン「なーにこれ。タコとイカが喧嘩してるんだけど」
~同時刻~イカタコ紛争地帯~
頬に傷のあるタコ「ワテらの星霊様を返さんかァい!!」
鉢巻きを巻くイカ「まずはキサンらから返さんかい!!」
しかし繰り返される闘争によって、それがずりずりとずり下がり――
とうとう目元を覆い隠す。
「う、お、俺の視力ごと返さんかい!!」
〝しゅばああああ!!〟
イカの後ろから現れしタコ「そんなもん己で上げンかい!!」
――極太のビームサーベルを振り上げ――
〝ズバァッ!!〟
真っ二つイカ「じゅわああああ!!」
フン
極太ビームサーベルタコ「粉ッ! 余分な二足は蛇足かね――!?」
頬傷タコ「すまねえな――」
極ビータコ「気にすんなィ――オメェ――そんな武器でどうしようってんだィ」
頬傷タコ「おおう――」
手に持つ八本の――彫刻刀〝きらりン〟(光る)のようなモノを後ろ手に。背に隠す。
ごビータコ「しかしよォ――イカ野郎どもは俺達が星霊を隠したとする――」
頬傷タコ「ああ――」
ごびタコ「だがよ――」
〝わーっ〟〝チャキン〟〝チャキン〟――相も変わらず、煙振りまきつつ大紛争。しかし、手に持つ武具器機が品々。嘗める事勿れSFモノに頻発せし武器が類い。赤緑桃と様々に発光するビームサーベルや光線銃のオンパレード。言わずもがな、地球より兵装の利器は優れている。おまけに量産体制も整っているようだ。例しにビームサーベルを数えてみれど、その数、ちょいとした人気アイドルのコンサート会場かと見紛う始末。
~ジテン地点~~崖淵~
覗き込みジテン「んお? あいつら何喋ってんだ?」
横に立つ女「星霊がどーとか」
して、腕を組む。
ジテン「星霊? 精霊じゃなくて?」〝ショーリョーと書いて。俺、意外と学あるんだよな~あっちゃうんだよな~〟
「――こいつら、おしゃべり魚介類じゃなくて――もしかして」
横立ち腕組み女「ああ。宇宙人だ」
崖ぷち覗き混みジテン「へ~ これがぁ……初めて見ましたよ。あ、キャンディさん以外で」
横に立つ女「キャンディ?」
ジテン「いや、もうないですって。どっかで買って来ないと。めっちゃ食べるんすもん。キャンディさ~ん。俺の分も残しといてくらさいよ~ッッ。言っとくけど、俺コーラ味好きですかんね! コーラ味食み舐めようと試む時は気を遣ってくださいね~☆ 心の中に俺を思い浮かべてからペロ扱いてくださいな~」
横に立つ女「――飴、好きなのか?」
ジテン「いや、あんた程好きじゃないすけどね。でも、たまには食べたくなりますよ。あんたがそんなに横でバクバク食べるとこ見せられたらね。んで――あのタコみたいのが火星人ですか?」
横に立つ女「かもな」
ジテン「なーにが、かもなっすか。何? 今日はかもなの日? かもなで行こうと決めた日? かもな記念日っすか? あなたがかもなと言ったから――で始まる」
横に立つ女「……」
ジテン「身体、もうだいじょぶなんすか?」
横に立つ女「――特に問題はないな」
ジテン「なんすか、問題って。問題点だらけでしょーよ、あんたは~日頃よりぃ~」
横に立つ女「……俺のどこが問題だって?」
ジテン「なにそのクールぶり。え? なんで今日、そんな決め込んでんすか? 頭打ったんすか? え? なに? 今日、クール記念日? そ! クールと言えば宅急便! 新鮮第一!! で、あのとれたて新鮮送りたてピチピチのイカみてーのが水星人なんすかね」
横に立つ女「なあ。一体、俺のどこに問題があるって?」
ジテン「お~い。ジョジョも読んどいてくださいよ~ぅ。俺の中のジョジョを~ぅ。言っとくけど、俺、ジョジョも好きですからね?? ――何が言いてえかっつーと、質問に質問で返すと0点なの知ってるかマヌケの世界なんスよォォォォォ??」喉に抓み手を這わせ、〝――ようこそ、マヌケの世界へ〟。
横に立つ女「――なんであのイカタコどもが争ってんのか、お前知ってるか?」
ジテン「聞いてないね。質問の予備が凄いな。この人。え~ど――なんすかね~どっちの方が、より新鮮なのかとかスかね~」
横に立つ女「違うな」
ジテン「ほう。じゃあなんなんすか。3,2,1,ドン!」
横に立つ女「それはあいつら自身も分かってはいない」
ジテン「そうしてキャンディさん自身も分かってはいない――と。つまんねえええええ!! なんすかそれ。今日、超つまんないンすけど」
横に立つ女「じゃあ面白くしてやるよ――」
ジテンの顔元に手を伸ばし――
〝ぐるりっ〟
顔を持たれて回されジテン「はい?」
そこに居たのは黒皮ジャンパーを着込んだ逆立て長髪の乙女。両目が黒いクマで縁取り覆われており――額に巻いた布で以て、パンカーよろしく逆立てた髪の毛を固定している。
ジテン「うわでっか!!」
ジテンが言う通り、この乙女が体躯、地球辞、メートル法で約3メートル。
革ジャンの女「うるせえ。耳元でがなるな」
ジテン「あり? もうそんなでっかくなれるようになったんすか!?」〝で、どっかからかジャンパー調達して…それカラダ? それごとカラダ??〟
革ジャン女「おかげさまでな。で? なにがでけえって? オメーの態度か? でけえよなァテメエの態度――見ず知らずの他人によ――」
ジテン「はい?」〝ミズシラズ?〟
「なに? え、これ、何の話??」
革ジャン女「ぅおィ」〝ひょい〟とジテンの首根っこを持ち上げる。
ジテン「うわっちょ、なに!?」
女の目前にぶら下がる。
「あれっ!? ひょっとして――」
革ジャン女「なんだィ」
ジテン「えーっとォ……え――つかぬ事をお聞きしまっすが――」
革ジャン女「おう。お聞きしてみろ」
ジテン「あの――その前にこれ、苦しいんで下ろして頂けますかね?」
革ジャン女「それがつかぬ事か――?」
それからひょういとジテンを下ろす――や否や〝ダダッ!!〟ジテン、駆け出すも――そうは問屋が卸さない。駆け出し遅れた後ろ足を狙って、〝ガッツ!!〟――
ジテン「いっで!!」
革ジャン女の脚が勢いよくそれを踏んづける。
〝ぐりっ〟
「あひぃ!」
革ジャン女「おめーなに?ねえ。今何しようとしたの?」
ジテン「あの、え――本日は大変お日柄もよく――」
革ジャン「前置き要らねえ」
ジテン「あの、え、ご足労頂き――」
革ジャン「そういうのはいいって言ってんだろ!! 答えろドブクズ!!」唾が飛ぶ。
ドブクズ「ひひい!! ドッブクズ!?」
革ジャン「逃げようとしたんだな?」
ドブクズ「いえ、違います。あの――なんか、あの――え――違います。ええ。逃げるのだけは頑として違います」
革ジャン「結構猶予あったけどイイの思いつかなかったネ」
ジテン「はい、あの――不足の致すところです(?)」
革ジャン「はいって事は逃げようとしたって事だよな」
ジテン「あ――ま、でもそういう風に取る人がおられても――ええ。今はなんたって多様化の――」
革ジャン「お前、一旦はいって言ったよな!!」
〝ごぎぎ!〟ジテンの首――閉まる。
ジテン「うげえげげげえg!!」(くびしまるしめないでしまないでええええ!!)
革ジャン「次、テキトー抜かしたらぶち殺すからな」
ジテン「ふぁい。絞殺じゃなさそうで何よりです」
首ぐい。
〝いぎゃあああああ〟
「たたたたしかに、わたい、いげようとしました゛あ゛」
革ジャン「だな。まずはそーいうのを一から認めてかないとな」
ジテン「もう嘘とか二言とか吐きません」
革ジャン「そういうのを二言って言うんだよ」
ジテン「すみません」
革ジャン「おお。で、何? 何俺様に生意気な口訊いてんの?」
ジテン「いや、あの――それがその――人違いで――」
革ジャン「おお」
ジテン「凄い、あの――ちなんでしまうんですけども、ちなみにあなたはキャンディさんじゃ――」
革ジャン「ないねェ」
ジテン「あ、じゃもう俺はゲームオーバーだ。もう。打つ手なし。ここから幾ら100円投下しようともう壁ハメ無限コンボスタートだ」
革ジャン「おめえ、さっきから何言ってんだよ。あのよ。見知らぬ人に生意気な口訊いていいと思ってんの?」
ジテン「あの、見知らぬ人とは仰りますが――いや、あなたがあまりにもこうスムーズに、スムーズィに私の懐と云う名の傍らに入り込んでくるものですから――」
革ジャン「あ。じゃ俺の所為なんだ」
ジテン「あ、あのその――」〝ぐぎっ!〟ジテンの足上に乗る足が唸る。捻って唸る!!「いだだだだだだだ!!」
革ジャン「俺が悪いんだね」
ジテン「いぎぎ――違います! 頑として俺ですっ。もう、足上がガンとして俺ですっ」
革ジャン「おめーの所為だろ?」
ジテン「はい! はいはい! あたすの――!!」
革ジャン「オメーがなんか楽しそーに縁覗いてっからよ! え――なんだろ――ってそりゃ見たくはなるわな!?」
ジテン「はひぃ?」
革ジャン「そしたらオメーが何か話しかけてきたからさ――あれ? なんかあれ? あれ? これ良い雰囲気なのかなって?」
ジテン「ん?」
革ジャン「俺様、受け入れられてる――あれ? この人優しい人なのかな? なんだろ? このまま俺様今日――」
ジテン「え!? 待って待って待って!?」
革ジャン「なんだよ?殺すぞ」
ジテン「いやいやいやいや!! はあ!? え!? さっきの人格は!?」
革ジャン「なんだよ。ずっと俺様だったろ」
ジテン「え? は!?」
革ジャン「なあ――どーしてくれんだよ――この気持ち――」
ジテン「い、いででで! 何が何が!? 何か凄いめんど――!?」
革ジャン「俺様の受けたココロの痛みは――」
ジテン「いや、あなた風体的にどーみてもそーいう繊細的なタマでは――」
〝ぼぎゃ!!〟
ジテン「ああああああああああああああああああ!!」
革ジャン「気持ちいい?」
ジテン「あああそんなワケ〝めぎゃっ〟あああああああああああッ!!気持ちいいです!もう何か凄い!! あっ!なんかもはや血行も良くなって! もう血行もお日柄も良くなって!! ただ、具合だけが悪い!! 具合さえ良ければもう!! ホント言うことないのにね!!」
革ジャン「ああ、そうなんだ。俺が君の足を踏んでると、お日柄まで良くなるんだ――」
涙目ジテン「はい! 自ずと! その――システム!? か、カラクリまでは判然としないのですが――いっや、もう、何故だか過ごしやす~い。途端に過ごしやす――」〝ぐぎっ〟「いだだだだだだ!!」
革ジャン「じゃあもっとたくさん踏まないとね♡」〝がしっ〟「ね♡」〝げしっ〟「ね♡」
ジテン「いやもう、♡と言うかハードと言うか!!」〝いでええ!〟「いやでももうそれはそれは乾いておられるようなことですので! 火星って! ほら! そろそろ悪天を! ご雨の方をお呼び頂けたらなと!!」〝俺のお足元が!悪くなっちゃう!!〟
革ジャン「へへへ――」
ジテン「へ、へへへ――」
革ジャン「ね。どう購おっか♡」
ジテン「購うの語尾に♡あしらわられたの史上初の出来事だと思います」〝空前絶後です〟
〝ぎぐっ〟
「はぎゃああああああああ!!!」
革ジャン「要らねえ事話してンじゃねえぞゴラアアアアア!!」
ジテン「ッ違うンすよ! 宇宙人って姿変えられるんでしょ!? だから! あんたキャンディざんがなっで!!」
革ジャン「ね。俺様――お姉さん、ひとつお願いがあるんだけど――」
ジテン「へ、ひへ、え?」
革ジャン「それ訊いてくれたら君の事許してアゲル」
ジテン「マジすか!? お、おね――?」
革ジャン「そこ疑ったら殺しちゃうよ~♡」
ジテン「ストライクゾーン真っ逆さま(?)の美人のお姉さん」
革ジャン「よおし♡ じゃあ、あの紛争止めてきて♡」
指を指す。指標はイカタコ紛争地域。
ジテン「ほへ?」
革ジャン「お姉さん、優しいから人が争ってるところみると〝もら〟っちゃって――」
ジテン「へえ!!」(疑っちゃダメ――疑っちゃダメ――疑っちゃダメ――絶対そういうタイプじゃないけど――!!)
革ジャン「ジテンくんにそれ、止めてきて欲しいな~って」
ジテン「ああ――優しいのに自分ではとめに――あごめんなさい、何でも無いDEATH」
革ジャン「自分で気付けてエライ♡」
ジテン「で、ちょっとご相談なんすけど――僕、ちょっとツレが居まして――」
革ジャン「ああ。噂のキャンディちゃん?」
ジテン「そっすそっす! その人と合流した方が――」
革ジャン「だめよ」
ジテン「え!? でも――」
革ジャン「そんな事言って、俺様の事ぶっ殺す気でしょオ」
ジテン「いやそんな事は――!」
(基軸発想がバイオレンス!!)
革ジャン「だァめ♡ 俺様、ジテンきゅんに止めて欲しいんだ♡」
「というワケでェ~」振りかぶり――
「いってらっしゃい♡」投げたァァァ!!
マズニカンジョーク
高空ぶっ飛びジテン「いってきまああああああああああああああああああず!!(火星冗談)」
放物線下降――
「火星の重力とかどうなってんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
{そういうのまで考えると頭おかしくなっちゃうしつまんなくなっちゃうな}
イカタコ紛争地域に〝スポン〟ホールイン。
【ナニコラ問答】――
~火星・キャンディぐちょぐちょ地点~
状態整いキャンディ「はぐァ!!」
起き上がる。して。頭ふりふり。
「あれッ!? ジテン!?」
おちゃめキャンディ「あれ? あいつあーしに断りもなくどっこ行ったんDA☆?」
キャンディは額にシワを寄せて――〝ピピピピ〟――ジテンの居所を探る。
「んお? あり? あいつなんか走ってやがんな。〝チトハヤスギルケド〟どこ行くんだ?? メズラシーイキモンでも見つけたんかえ? あいつそーいうの好きそーだからな――〝んお?〟」
キャンディ「なんじゃいこらァ!」
そこに控えしは火星に実りし樹木。
キャンディ、そこに成樹する木の実を見つけし。
「おほぉ~こいつは美味そうなんですけどおおお~ッッ」
そこに近寄り――〝ひょい〟ひとつを抓む。
「ンマソ」
~ソトカーリ・ナカトォロ~
チキュウジブツ
それがその樹木の名前である。それが実らせる木の実は、地球事物で云う〝たこ焼き〟にゲキ酷似である。コテコテ目コナモン科セヤカテ属に籍を置く、れっきとした果樹のひとつなのだ。地球の大阪では一家に一台たこ焼き器があるとの都市伝説が巷にあふるし今日この頃。まあ、都市伝説とまではいかないものの、そういうのがあるが、ここ、火星では一家に一本のノリでこの〝ソトカーリ・ナカトロ(表記揺れ)〟が植樹されていたりするのだ。
尚、お味の方はと云えば――
〝ううんめぇ~ へぇ~!!〟
――タコ・ヤキ。ソノモノ。
名前がもたらす通り、外はカリカリ、中はトロトロを地で行くフルーツである。しかし、先述した通り、味はたこ焼き。噛んだそばから、主に広がる味覚を問えば、ソースの味がしたたりまくるのだ。地球人の味覚観点からすれば、そんな果実はイヤかも知れない。知れない。が、宇宙人からすればそんなものなんてことはないのだ。この通り――↓
キャンディ「なんじゃいこら!〝バグッ〟なんじゃいこら! 〝ムシャムシャ〟ウメえ!〝モギリモグ〟ウメえ!!〝ウヒョーッ〟ひっさしぶりにロクなモン食った!! あ~これがロクなモンってヤツか! あー飲み物欲しい。長渕剛に教えてあげたいお味覚!! 〝ガツ〟爆裂!〝ガツガツ〟炸裂! お久しぶりです!! ロクな味の皆さん! うめえよ! うめえYOコレ! もうこれはウマすぎて、もはやペガサス※!!」
※美味すぎると馬過ぎるを掛けている。
「ウマすぎてユニコーン!! いんや、ウマすぎてディープインパクト!! ひひーん。美味すぎてひひーんって言っちゃうよ――」
{三番目なのに弱め}
〝バク〟〝ガツ!〟〝ンマッ!〟〝モギュー〟
キャンディ「あり――いてて……腹いて――あれ?」
――尚、この木の実はアシが早いのだ。{冷えたたこ焼きウマくないもんね(そんな事ないか?(じゃあ、火星――タコだけにアシが早いと云う感じで(?)(多脚はアシ、ハヤそうだろうが!)))}
キャンディ「きゅーばたん!!!」そう叫んで再びや倒れ込む。
【たこ焼き】――地球の県、大阪の名物。マヨネーズが邪道とか知ったこっちゃない。そもそもジャンクに王道なんかねーっての。寿司か? すみませんありました。でもね、何だって好きに食えばいいと思うの。なんだって好きにやればいいのと同じようにね。人がたこ焼きに何掛けようがなんだっていいでしょうが!! ――あ、ショウガは外せねぇな。うん。ショウガ要らないってヤツだけは許さん。デートの時、所構わずこういうの食べれちゃう人、好き。なんなら歯に青ノリくっつけてる人の方が好き。(流石に常時は気を疑うけど)
~イカタコ紛争地域~
〝ズガドオオオオオオオオム!!!!〟
もくもくもくもく。煙の中のシルエット――はジテン。
振り向きダコ「んお? なんじゃいボウズ!! てめーどっから来た!! ここ危ねーぞ!! てめーどこの星のもんじゃい!!」
〝ぐいっ〟凄む。
ジテン「えっとま、まずは――ち、地球から――」
タコ「マーズは!? 地球!? テメェ一体どっちなんだ!! ここは危ねえぞ! おちょくってんのか!! 早く逃げろ!!」
ジテン「いや、あなたが逃がしてくれないんでしょ!?」(額に傷がある――)
〝ぶおん!!〟
上段の構えビームサーベルイカ「くたばれや! 八足タコやろおおおおお!!」
降り注がれしイカサーベル!!
ご存じ額傷タコ「あぶ――!」
既に半身ジテン「自分で避けれます!!」
さらりと躱して、怒れるイカの懐に――
〝パンチ!!〟
〝ごがっ!!〟
――ほんのり光し拳――今の拳こそが地球技と書いて、〝アース・アーツ〟その基本技。
〝セイケンヅキ〟
【星拳突き】である。
サーベルイカ「げそォォゥ!!」
吹き飛ぶイカの脳内でなく、ジテンが回想――
セピア色キャンディ~お前さ、星座の技、連発出来ると思うなよ?~
セピア色ジテン~なんすか藪から棒に――今好きな球団の話してたでしょーよ☆――ってなんで茶系統!?~
セピア色キャンディ~いや、これ回想だから~
セピア色ジテン~あ、回想の中の出来事なのね~
セピア色キャンディ~そうそう~
セピア色ジテン「いや、でも今こん時は色あしらってるハズでしょ!!」
セピア色ジテン~いかん! そこに気付くな!!
うっすら色を取り戻してゆくジテン「えっ!?」
セピア色キャンディ~そこに気付き過ぎると回想の中に取り込まれるぞ!!~
けっこうカラフルジテン「いやこええな! 回想!!」
うっすら色つきキャンディ~ほらあーしまで!! お前、セリフもカギカッコになってんぞ!!~
もはや遜色ないレヴェルジテン「うわほんとだ! あれ!? 色も何か!!」
少しセピア色キャンディ〝落ち着け?! お、落ち着いて、心を思い出の中に――〟
そろそろヤバいジテン「お、おちつて――」
セピア色キャンディ~しまう感じで――大切なものを戸棚にしまう時の気持ちを思い浮かべて――~
マジで24色ジテン「そんな時に気持ちなんかネエよ!! 俺どうなっちゃうの!?」
セピキャン~とにかく落ち着くの!!~
もうほんっとにあのジテン「どどどどうすれば!?」
セピキャン~息吸って!なるたけ大きく!!~
セピア色ジテン~ふーっ~
セピキャン~ハヤイなァ!!~
セピジテ~で? このコーナーの趣旨なんなんです?~
セピキャン~対応早すぎだから。で、回想と云えばする事はひとつ。張り忘れた伏線とか、もうめんどくせー事、事前に予め話し繰っといた事にする事だロ☆~
セピジテ~元も子もないですね~
セピキャン~で、今回は、てめーは星座技っつーどでかい必殺技があるんだけど、それには大いなるタメが必要って感じにするから~
セピジテ~するからて~
セピキャン~なんか作者がそういう風にしたいらしい。何か考えがあるのかもしれんけど~
セピジテ~ここ、なんでもありなんすね~
セピキャン~作者が世紀末リーダー伝たけし!のしまぶーのノリ好きなんだよね~
セピジテ~せいきま――なんです?デーモン小暮ですか?~
セピキャン~うおい。お前は読んどけや。お前だけは欠かすなや~
セピジテ~正直、俺、必殺技に制限付ける必要ないと思うんですけどね~
セピキャン~まァね~
セピジテ~霊丸5発だけどショットガンは撃てンのかいみたいな~
セピキャン~あ、そんな事言ったらこのお話の方こそ――~
セピジテ~あそうだ。やばい。この話ほどひでぇ作りのモンはねえ~
セピキャン~あ、そろそろ回想の時間が無くなってきた~
セピジテ~ここにも制限あんの!?~
セピキャン~ここ、ワンドリンク制で制で一時間600円なんだよね。
セピジテ~カラオケかここ!~
セピキャン~ここ、DAMか――~
セピジテ~やっぱカラオケじゃねえか~
~~~~~~~~~~~~オケ~
~イカタコ紛争地帯~
目元とんがりブチギレジテン「いや、なんだったんだよ今の!!!!」天を人差し指で指しつつ激怒。
タコ「どわァ! びっくりしたァ!!」
そして、頭に疑問符をちょんと浮かべる。
からの、〝ドキドキ〟――胸を第六触手で抑え、「急に大声扱くなよ――」
汗かきジテン「すみません」
額傷タコ「しかしニイちゃん強えな~今のなんだったんだい」
ジテン「あ。あれは、星拳突きと言って、地球の空手の正拳突きと星の力――まあ、僕にはどうやらそれが使えるらしくて、で、それを合わせた――で、それを本当は回想で説明するハズだったんですよ。……回想力? 想像力があるから回想にも抗えた――いや、まさかな……ホントはもっとつおい星座技があるンですが、それには要タメで――」
あまり頭よくないタコ「なんか話ムズかしくておっちゃんには分かんないなァ――」
ジテン「要は、ガイルみたいなキャラ性能なんです」
ストⅡ世代じゃないタコ「いやァ、それもおっちゃん――」
ジテン「実は俺もあんまし――発想力だとか創造力だとか云うモノの――」
勘鋭タコ「ニイちゃん、じゃあ、ニイちゃん、地球から来たのかい?」
ジテン「そっす」
タコ「いや~あそこはいいよな」
ジテン「そうすか、ありがとうございます」
タコ「ナカトロみてーな食いもんあるしな――たこ焼きっつたかな」
ジテン「おお! そう! そうなんですよ! たこ焼きご存じ!? タコさん、たこ焼き屋の看板――マスコットみてーなフォルムしてますよね!!」
頬染めタコ「よせやい。褒めてもタコしか出ねーぞ」〝中から〟
「しかしよォ~今日はなんだか珍しいお客人がわんさかだな――」
ジテン「そーなんすか」
タコ「おお。さっきもなんかエレー黒いのが――」
ジテン「ああ。そうなんすよ。俺、そいつに飛ばされまして」
タコ「んだろォ!? 俺見た感じでヤバいと思ったモン!! ゾッとした!!アイツァやばいとね! おっつぁんそう睨んでやまなかったよ」
ジテン「イヤマジ、そいつが――」
数ある砂煙の中から「呼んだ??」の一声。
してから――ひょっこり。
近場の砂煙から、ひょっこり。
恐怖の革ジャン女爆登(場)。
ジテン「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!」
タコ「なんじゃあ! このべっぴんはァ!!」
ジテン「はいぃ!?」
革ジャン「ジテンくんがちゃんとフントーしてるか見に来たよ」
タコ「お嬢さん、お名前をお教えください。私め、姓をスエヒロ、名をキューバンと申します」
革ジャン「あ、そうなの? よろしく♡ 俺様、ルゥ」
ジテン「ルゥ!?」(そのナリで!?)
自らをルゥと称した女「悪ぃ?」
ジテン「いんや、とっちも――!!」
ルゥ「セルフアナグラム扱いてるよ?」〝アセリスギ♡〟
スエヒロ「で、姐さん{ここら辺で精神的に下に付いた}――このような星になんのご用で!? 今ァ――嘘でも方便でも客人招けるような事態じゃ――」
ルゥ「なんで水星人とケンカしてんの?」
スエヒロ「それがですねェ――」
飛びかかる水星人「戦場でよそ見はイカんナああああああああああああああああああ!!!」
ジテン&タコ&ルゥ〝!?〟
スエヒロ「さがっててくだせえ!!」
ルゥ「じゃ、そーする」
ジテン「いやでもこの人――」(めちゃくそ強――)
ルゥ(偶には護られたい♡)
ジテン(うひぃ! 心の中入り込んできた!!)
スエヒロは、腰元に帯びる彫刻刀――否! たこ焼きをひっくり返す時の串!! それをオール触手、計8本に完全フル装備――!!
スエヒロ「てめェらのスミは何色じゃァい!!」
そう叫んで、目にもとまらぬスピーディで繰り出す。
〝チュバチュバチュバ!!〟――撃ち貫かれる水星人。
結果、ご覧の蜂の巣。
イカというかもう穴ぼこ「痛い僕もう帰る!!」
ジテン「え!? あれで死なねえの!?」
自慢げスエヒロ「おう。地球人のアンちゃ~ん。宇宙人の活力回復力ナメちゃ~イカんぜよ」
ルゥ「タコなのに」
でっぱり口元上擦りスエヒロ「へへっ」
ジテン「すんません。ちょいと疑問吐露してよかですか?」
スエヒロ「よかよ?」
ジテン「みんな近代兵器使ってんのに――」
ルゥ「そこな」
〝びしっ〟――ルゥは頭上より、ジテンを指差す。
ジテン「デカ女!!」
ルゥ「は? 今更なんだよ、殺すぞ」〝ずっとこうだっただろ〟
ジテン「いや!! いやでも――慣れないデカさなんだよな」
ルゥ「あんた強いね」
〝くるっ〟――スエヒロの方を向きつつ。
「得物もオモロイ」
ジテン「――いや、そうなんすよ~。みんなビー㋚べとかビームガン扱いてる中、なんでそんな頓狂な武器と云うか器具をお持ちで?? てかもうそれ器具だよ。調理器具だよ、たこやきつんつん!」
スエヒロ「ま、なんつーかよ――これには丁度海と同じくらい深~ィワケがあんだよ」
ルゥ「丁度?」
ジテン「いや、どこの海言えや」
ルゥ「どこの海のどこの地点か言えや」
ジテン「平均値かな」ルゥ「平均値だろ――うな」
頬を赤らめ合う二人。
スエヒロ「誇りなんだよ」
ジテン「これは訊く流れですかね」
スエヒロ「ま、ここじゃなんだからオイオイな」
ジテン「ですよね。みんな戦争してますし」
スエヒロ「そろそろハーフタイムの時間だろうしな」
ルゥ「ハーフタイム?」
〝ピィィィィィイィィイィ!!〟――笛の音。
〝はい、じゃあ前半戦しゅーりょおおおお!!〟
全イカ&タコ「はああああああああい!!」
ルゥ「なんだこの戦争」
ジテン「ねえ。いやにスポーツライク」(――その感覚はあるんだ――)〝地球観据え置きなんだ〟
スエヒロ「な。おかしいだろ?」
ジテン「完全に競技化されてますね」
ルゥ「ていうか、そもそも誰かにやらされてよな。なんか笛の音したぞ」
スエヒロ「おう。そっちの嬢ちゃんの言う通りだ」
ジテン「そっちの?」
キャンディ「じゃ、あーしはこっちの嬢ちゃんか」
ジテン「うぎゃらああああああああああああああ!!!」
そこに御座すは、ジテンと同等サイズのキャンディ。尚、服装は半ヘルに赤ジャージ。
ジテン「いや、それ俺の赤ジャージ!! 〝中学時代の!!〟」
キャンディ「うん。サイズ戻った時アカチャンホンポの服だと色々18禁なんで、持ってきてた。お前の押し入れ漁って」
ジテン「いや、別にあんた、乳首とか盛り上がりも見せてねえし(18禁も何も)――」
しかし、ジャージは前開きで着こなし、胸元がぱっくり開いている。……小ぶりだけど。
キャンディ「あん!!??」
ジテン「な、なんですか??」〝睨ま凄まれても〟
キャンディ「はい、今からあーしばくにゅー☆」
〝ぼゆん〟――膨らむ胸元。
「キツいから前開けよ」
ジテン「ちょちょと――」
〝ジーッ〟――開帳されしジャージ。
しかし。
そこに現れたのは、ピンク色の盛り土。
乳首や乳輪の類いがないので、およそ乳房には見え難い。
ジテン「いや、ぜんっぜんエロくねえ」(んだよ……)「プリン……てか、なんかケンコー器具みたい」
キャンディ「おい、誰が健康美女だよ」
ルゥ「この御方がキャンディさん?」
ジテン「あ? うん」
キャンディ「あんただり? あーしキャンディ☆ しくよろ☆ あーし、今し方イクーカン通って今」
ジテン「ああ――それがあったか」〝その設定どうする気なんだろ〟
キャンディ(シラネ――自分で自分の首絞めて終わりだね)
――{はい、じゃ今からそこ通るのめっちゃ疲れる設定にします}――
ジテン&キャンディ「しまったあああああああああ!!」ジテン「口は災いの元だね」
ルゥ「如何なされたので?」
キャンディ「んあ? うん。こっちのシーハナ」
ルゥ「初めまして。ルゥと申します」
ジテンが方を向き――
「こちらがキャンディさん?」
ジテン「ええ…」
ルゥ「初めまして。キャンディさん」
傅き――手の甲(触手だけど)に、
〝ちゅっ〟
キャンディ「まあ♡」
ジテン「あれッ!?」
ルゥ「どうしました? ジテンさん」
キャンディ「あーし、レズっ気あるから、あちょっと――どうしよ」
ジテン「あらっ!? ちょちょ、こっちからいこ!! え、そもそも性別不定ですもんね!! 宇宙人の皆様!!――いや、待て! なんかお前キャラ違くね!? ほんで!」
ルゥ「何がだい? ジの字くん」
ジテン「いや、よくわかんねえな。そこはシラ切るとかじゃえねの!? よく分かんないクチを聞かされる事により、よりよく分かんない展開に持って行かれた!!」
スエヒロ「なんか込み入った二角関係のところ申し訳ないんだがよ」
泣き出すジテン。その両目から流れた下流が天の河を生み出す。その両端に織り姫と彦星が佇んでいる。
のぞき込むルゥ「なんだこれ。お前人形劇やってんのか?」
ジテン「はあ? 何がですか?」――天の河劇団――織り姫と彦星消えゆ。それから先のスエヒロの文言を浚って、
落涙天の河ジテン「確かに自分でもそう思います!! 俺そっちのけ!! ――で、この戦争のあらましですね! もうなんかこのままだと二人がイい感じになっちゃいそうなんでよろしくお願いします!!」
スエヒロ「おう。まかせな。それはコート外に出て説明するぜ」〝自動的に俺もフラれたコトだしな〟
触手〝くいっ〟
【告白】――人がド級の勇気をその心に携えた時、行える勇者の業。……約束されし告白……ごめんなんか言ってみたかった。
~イカタコ紛争地帯~・~すぐ横・コート外~
キャンディ「――で、その星霊様が捕らわれたと」
スエヒロ「てやんでェ。そういうこっちゃ」
ジテン「大阪なのか江戸弁なのか」
スエヒロ「宇宙に地球のしきたりで物言うなんてナンセンスだぜ?」
ルゥ「そらそーだ」
ジテン「なんでお前が口挟むんだよ」〝何も知らないくせに――地球〟「あと、さっきのよく分からない紳士的なふるまいキャラはどしたんだよ」
ルゥ「あの後スゲなく断られたので切り替えた」「んでよ、あいつらなんかもぐもぐ食ってんな」
スエヒロ「おう。ハーフタイム中は飲食自由だ。後半戦に向けて英気を養ってる感じだな」
ジテン「そもそも戦争は飲食自由だろ。ルールご無用なんだから。なんか聴くところによっと食料の調達は現地でが、一流みたいなとこあるし」
スエヒロ「あいつらにはそーいうキビキビした争いごとなんか元より出来ねーのさ」
ルゥ「なんかウラがあんだな」
赤面スエヒロ「おう。俺の手の裏には吸盤があってだな。そこを嬢ちゃんにキス――」
ルゥ〝ちゅうううううううぅっ〟
スエヒロ&ジテン「ホントにされた!!」
ルゥ〝れろおおおおおおん〟
ジテン「しかも舐めた!!」
キャンディ「しかも長い」
ジテン「舌も長……えっろ!! いや、なあ、おい、こういう時、ぶん殴られるパターンじゃねえのかよ! 俺が知ってんの、100トンハンマーか、シカトかの三択だぜ!! じゃあお、俺もしてくれよ――!!」
ルゥ「仕方ないな。じゃあ目をつぶって」
〝がしっ〟
ジテンの頬元を両手で持って――
ジテン(はいはい来ましたよ)
〝ちゅううううううううううう〟
ルゥ「ぷはあ」
口と口が離れて〝きゅぽん〟
接吻。
接&吻。
ふー。ため息。
遠い目をする彫り深ジテン「セオリーってやっぱカスですね!!」
キャンディ「キスされたらね。そりゃセオリー不要論唱えるよね」
ジテン「ぶん殴られると思ったよNE☆」
キャンディ「語尾があーしと間接チスしてるよ」
スエヒロ「俺、首ゴキッに一票入れてた」
ルゥ「俺様にセオリーなどない。喩え、胃酸が昇って来ようと、俺は逆を行く。ゲボクズとだってキスをする」
ジテン「うん。悪口言ってるけど、俺別に効いてないからね。だってもうキス受けとるから。釣り銭じゃらじゃらだから」
ルゥ「単にゲボだけじゃあない。下僕のゲボと吐瀉のゲボのダブルミーニングだ」
ジテン「え? 俺、これ言われてどうしたら良いわけ?」
キャンディ「話進めてくれるYO~☆ 促すのが吉だと思うZE☆」
うずうずスエヒロ「……星霊様がよ――」
8本からなる手足をこまねいてわきわきしている。
ジテン&キャンディ&ルゥ「あ、ごめん」
スエヒロが話すところによると、火星と水星には星霊と云う目には見えない護り神が居たそうな。それを日々感覚で感じ取りながら火星人及び水星人は暮らしていたワケだが、ある時、その存在を捉えられなくなったそうな。慌てた火&水星人らの耳に吉報☆ 実は星霊は、火(水)星人らが捕まえてしまったのだ!!!
スエヒロ「――という筋書きで、みんな騙されちまったのさ。みんな根が良いからよ。純粋だからコローっと。んで、博愛モンの集まりだからよ。戦争のやり方もよく分かんねえもんで、後から来た〝黒い〟のに従ってスポーツチャンバラでこの通りよ」
キャンディ「〝黒い〟の! あーしが感じてたヤツ!!」
ジテン「お前っ!!」
ルゥ「は?」
スエヒロ「確かにこの嬢ちゃんも黒いが、その〝黒い〟のはそんなもんじゃねえ」
キャンディ「そうよ。頭にドスの付く、ドス黒だわ」
ルゥ「ドスドス黒――」
スエヒロ「ああ。あれはドスドス黒――」
ジテン&ルゥ(――採用された――)
スエヒロ「色んな黒いモンを見てきた俺が言うんだから間違いねえ。それは主にイカスミだが――」
キャンディ「イカスミパスタおいしいよね~」
ルゥ「ね~」
ジテン「おっと。パスタトークに花咲かせる女子会はお開きだ」
キャンディ「まだ二分咲きだよ」
ルゥ「まだつぼんでた」
ジテン「で、その〝黒い〟のがまさに此度の黒幕なんですね」
スエヒロ「イカスミおいしいよね」
ジテン「あんたそっち行くなよ! 俺も混ざり込みたいんだから! パスタみたいに」
キャンディ「ねえ、パスタ、何好き?」
ジテン「うるせうるせうるせ。で、この戦争をとめるには――なんで俺、こんな真面目な役回りなんだよ!!」
キャンディ「もう楽になれよ」
ルゥ「普段のジテンくん出して」
ジテン「お前が普段の俺の何を――そんでタココラ」
スエヒロ〝びくっ!!〟
身体を震わせて〝びくっ!!〟
ジテン「俺が大トリですねみたいな感じでボケアップしてんじゃねえぞタコ」
スエヒロ「タコですいません」
いや、そこ謝んないでいいよ。
【タコですいません】――FF6に出てくるボス敵、オルトロスが去り際、やられ際に吐く名句。時には誰もそこ責めてないのに吐き捨てる。敵ながらまことユニーカルなキャラである。
~火星~~もう寸分狂わずさっきの場所~
――{話進まなくてすいません}――
ジテン「うん。そこは謝ろう」
ルゥ&スエヒロ「?」
スエヒロ「でだ。客人にこんな事を頼み込むのは非常に心苦しいのだが――この戦争を一緒にとめてはくれんか……」
ジテン「いいよ」キャンディ「別に」
スエヒロ「!?」
ルゥ「じゃ、あーしも」
スエヒロ「!?」
キャンディ「マネすんなよ☆」
スエヒロ「いや、だが――貴殿らにとって何の得も――」
ジテン「僕らもまあ、そんな感じになるんだろうな~ってのはうすうす感じてました。ま、こういうのお話の王道的展開ですからね」
キャンディ「漫画の読み過ぎ~」
ルゥ「アニメの読み過ぎ~」〝ジャンプとかバトル系好きなんだ〟
ジテン「いや、お前は心の読み過ぎだから」
ルゥ「ナニ、しゃあしゃあと打ち解けてんだよ」
〝ぼかッ!!〟
ジテン「なんで!?」
ルゥ「お前、距離感近すぎ。すーぐ仲良くなる」
ジテン「え? いいじゃん。で? え? 何で俺怒られた?」
キャンディ「おまけに陽気。すーぐ信頼しちゃう」
ジテン「え? いいじゃん。え? 才覚じゃん。俺のいいところじゃん。え? なんでいいところ責めんの?」
涙ぐむスエヒロ「お前らァ――楽しくていいなァ――」〝ぐずっ〟「ううっ漢が――さんずいの漢と書いて漢が人前でこんな涙見せるのは――アレだが――」
ジテン「そんなの、今時のジャンプでも流行んないっすよ」
キャンディ「ソーダ ソーダ! おじちゃん! ソーダ味の飴玉おくれよ」
ジテン「だからないって」
ルゥ「ほい」
キャンディ〝ぺろりんこ〟「ありあと」
ジテン「持ってんのかーいとうコンパクトな突っ込みで抑えつつ、で、具体的にどうしましょ。出来ることなら無血革命演じたいですよね」
ルゥ「いんや」
キャンディ「その点は」
スエヒロ「ご無用!」
〝ててーん!!〟
ジテン「これ、どこから聞こえてきてんだ」
肩を組む三人。
キャンディ&ルゥ&スエヒロ「我ら宇宙人に死ぬ事はありえないからな!!」
ジテン「ああ――ぶつ切りにされてもふひーんとかで済んでましたもんね」〝そんなんだったか?セルフィ〟
スエヒロ「おうよ。肉体的な死亡届出は未だ嘗て役所に届いた例しはねえ」
ジテン「宇宙に役所あるんだ」
ココ
ルゥ「火星にもあるぞ」〝さっき行ってきた〟
ジテン「その用、気になぁるケド、今はひとまず先に――その言い回しだと、精神の死がありそうですね」
スエヒロ「おう。精神の死亡届はごまんと出てる」
キャンディ「あーしら宇宙人は精神が死んだ時がゴリンジュタイム」
ジテン「地球人もそんなもんすけどね。だから発想力がどうこうとか――」〝何かそこら辺が物語の鍵になってきそうだな〟
キャンディ「そ。あーしらはそういう精神力削ってビーム撃ってるようなもんだから」
ジテン「じゃあ、それがなくなったら――」
ルゥ「いや、発想力がなくなるなんて事はまずない」
キャンディ「そうね」
ジテン&スエヒロ「よかった~」
ジテン「いや、アンタも初耳なんかい」
キャンディ「デモネー。それがないのがヤバいのよ」
ジテン&スエヒロ「えっ!?」
ジテン「ちょっと、あなた邪魔なんで口閉じててもらえます!?」〝恐らくだけど、あんたメインキャラじゃねえよ〟
スエヒロ「すまん」〝でもそこまで言う事ないよね俺だってこの宇宙上で生けとし生ける――〟
ルゥ「じゃあこうしててあげる♡」
〝だきっ〟抱き付かれるスエヒロ。至福。
スエヒロ「こうしててもいーい?」
8本の触手をルゥに巻き付け――
ルゥ「いいよ♡」
ジテン「いいな~。てか、俺が思ってたルゥ像と全然違う! 何だったんだよ革ジャンの女呼ばわり時!!」
ルゥ「俺様の事はいいから、先に進めろ」
キャンディ「発想力ってのは、枯渇しねーからヤびゃいの」
ジテン――〝ごくり〟。生唾を飲む。
キャンディ「尽きないからこそ、振り絞り、振り絞り――そして捻り出し――それでも出ない己に絶望して、いずれ壊れる」
ジテン〝ごくり――〟
スエヒロ一足遅れて――〝ごくり――〟「いや、ごめんよおおお! 我慢したんだけどよおおお!!」
ジテン「いや、なんかそういうのに助けられます。めっちゃ怖い話ですんで」
ルゥ「要は酷使し過ぎんなって事。俺様、その点大丈夫」
ジテン「なんで?」
ルゥ〝へへん〟と鼻なぞり。「オレ様、発想力使わねーから」
ジテン「え? そんでそんなにつえーん!?」
キャンディ「強いんだ。まあ、強そうだもんね」
ジテン「そうなんすよ! この人の握力――」
ルゥ「こいつなんにも分かってねえの」と笑う。
ジテン「なにがいな」
キャンディ「この子ね、今の今までずっと地球人だったの」
ルゥ「さっき聞いた。地球人って発想力のなんたるか知らねーの?」
キャンディ「みたい」
ルゥ「ぶきゃきゃきゃ。しょーもな」
ジテン(なんだその笑い方)
キャンディ「発想しないあんたととんとんよ」
ルゥ「それでも俺様、つえーかんな。オレ様、発想しねー。ノリで戦うんだよ。そもそもビームとかナンセンスなんだよ 男なら武器!! 女でも武器!! 頑として金物武器!! SFなんてものはクソくらえなんだよ!!」
ジテン「にしてはステゴロなんかい」
ルゥ「天の河なんぞで本気出してられるか」
ジテン「ああン!? 俺の母銀河馬鹿にすんなよ!!」〝てか、どこから来たんだ。何しに来たんだ〟
キャンディ「そ。発想力ってのはつまり宇宙のパワー。それを使って――まああんたに伝わり易く宣うと、特殊技扱けるってワケ。心の中で宇宙のどこかと繋がって――そこから凄いパワーを引き出すノ☆」
ジテン「だいたいワカるよ。ビーム出せるって事ね」
ルゥ「そうしてオレ様、物理ティック専門」
キャンディ「潜在パワー凄そうなのにね」
ルゥ「飽くまで凄そうな。な。マンコナメさせろよ」
ジテン「いや、凄いなこの人」
キャンディ「色々あるから裏でね」
ジテン「あんたもすっごい。で、俺も着いていっていいかな?じゃないそこ!!」
スエヒロ「!?」
キャンディ「きゃはは~だーいぶイイ感じ。発想パワーで心を読む。そういう不可思議全般が発想パワー」
ジテン「凄い曖昧な感覚ですね」
キャンディ「そこはおいおいなんじゃない? そもそも概念なんてそんなモンでショ☆ みんなホントはあいまいみぃな世界に暮らしてんのYO」
ジテン「まあ、それを言われたらそうだけど――」
〝ぴぴいいいいいいいいいいいい!!〟笛の音。
ジテン「やべっ! なんか不足しがちだった説明しててハーフタイム終わっちった!!」
キャンディ「どーする!?」
ルゥ「ひとまず加勢して殲滅させよーぜ」
ジテン「そんなご無体な!!」
キャンディ「言って聞くようなピュアニコフなら戦争もハーフムイターも主審も副審もレフェリーもレフリーもイラネーからナ☆」
ジテン「もう後半のはとんずらして、ピュアはピュアなんすけどね。今は多少かかっちゃってるって言うか」
スエヒロ「俺からも頼む」
ルゥ「こいつら殺して死ぬようなタマじゃねーもんな」
スエヒロ「おう! 彼奴らの目を冷まさせてやってくれ!!」
そして戦争が始まる――
【戦争】――要らないもの。しかし、安易に戦争を不要と連呼しても駆り出される兵士が無闇に傷つくだけである。それでは戦争で肥ゆる上の者、裏の者には届かない。いつかゲームの中だけのファンタジーになるとイイネ☆
~イカタコ紛争地域~
ジテン「とうりゃあああ!!」
キイック!!〝びしぃッ!!〟
水星人「うぎゃー」
キャンディ「んーとどしよっかな。ま、アレでいっか」
両星人が持つビームサーベルを眇めつつ。
「ペロキャンでもいいんだけどここは道義に倣って――」
〝ぶよよよ~ん〟
キャンディの手からうねうね棒――それが凝り固まって――まるでライトセイバー。しかし。それが発色浮かべし色は〝茶〟――なんとも地味な茶色バーである。
「確かに地味だ。地球菓子〝ポッキー〟イメージしてみたものの、茶色じゃちと外連味に疎い――」
それを〝ぶおんぶおん〟と振りかざし――
「ぢゃ、こーする」
茶色い棒を手で覆うようにしてゆっくりと先端に向けてエアーで擦ってゆく。
手に持つ茶棒が取っ手をのこしてみるみるピンク色に染まるってゆくのだ!!
水星人「死ねや淫乱ドピンクあああああ!!」
キャンディ「――なーにがピュアニコフよ。あんたらすっかりカカっちゃってんじゃないの㋚。普段言わないような言葉言わされちゃってさ……目ん玉冷まさせてアゲル☆」
手に持つピンク棒を振り抜き――
刹那の斬撃!!
チョウコウ
【超光バー(イチゴ味)!!!!】
〝ずばああああああああ!!〟
前面に棒形にめり込みをみせる水星人。そしてその表面は焦げている。あまりの超光バーの灼度におよび、表面がじんわり焦げ目を浮かばせている!
水星人「なんか甘い匂いする……」
〝う゛ぁたっ〟
イカ
スエヒロ「やるな、おめえさん方ァ!! この調子で水星人共をぶち殺――一旦ぶち殺した後、イカし抜い――あの――!!」
ジテン「だいじょうぶ!! ニュアンスで受け取る!!」
スエヒロ「ありがてえ!!」
キャンディ「でさ。あいつは?」
スエヒロ「そうなんだよ――嬢ちゃん…あの、そっちの嬢ちゃんじゃなくて、こっちの嬢ちゃんが――えと、今ここにいるのはこっちの嬢ちゃんだから元こっちの――」
ジテン「ルゥさんね!! っ何処行ったんだよ! まさか尻尾巻いて逃げ出したんじゃねーだろうな!! とうッ!! 星拳突きゃあ!! だらァ!! ふぉらァ!! ――ふぉらァ!? 自分で言っててふぉらァ!?」
キャンディ「なんっかいンや~なヨーカンすっけど(あ、羊羹モチーフもイイナ)、ま、このまま水星人押し沈めて――ほい!! 超光バー引っ込めーノキャンディクラァアアアアッシャア!!」
〝ぱきゃああああん!!〟
炸裂するは頭部。粉砕されしは飴細工――炸裂と同時に粉砕されたのだ。
〝ぐらァ~りィ〟――イカが轟沈。
そして粉々に砕けた飴細工が――重力に逆らって以て〝ひゅんひゅんひゅんひゅーん!!〟宙空を飛ぶやいなや跳び様にさくさくさくううううッ!! 周囲がイカ達にぶっささる。
「――で、なんかアンタ、新技とかないの??」
カラテギ
ジテン「ん――もういっちょ空手技でいってみっか――」
〝カーカット〟
【烏斬落としぃア!!】
これはもう、地球の害鳥である、カラスをもう痛めつけてしまう事に全力を注いだ技です
害鳥とはいえ、作者は好きです。なんか気骨感じてしまって。
それがイカに襲いかかる!!
も、
〝ぽいぇ~ん〟
イカ「きかね」
ジテン「あれええええ!? やっぱ無理矢理掛けるだけじゃイカんのかなああああ!! そもそも俺、カラス好きだしぃいぃい!!」
あーし
キャンディ「一人で悩むより、他人の見てて~ン」
手に持つ超光バー。茶色。
それを腰に差し――
それを思い切りよく引き抜く!!
〝ずばあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!〟
〝チョウコウバットウ〟
キャンディ【超光抜刀!!】
真っ二つイカ。
ジテン「かっけえ!!」
キャンディ「ちなみにアタリ付きよん?〝確率低いケド〟」
――{こらこら}
ジテン「すげえなあ……俺は……」
キャンディ「ああんっもう! ぐじぐじ悩まない!! なんかもうカッコよかったらいいのよ! なーんも考えず! 掛けようとか上手い事言おうとか! ムリムリ捻らんで!! 掛かるときゃ掛かるし、上手い事なるときゃなるから!! もっと流れに身を任せな!!」
ジテン「いや、結構ウマい感じにネーミング扱かれてるから説得力――」
キャンディ「たまたまだって! これは! たまたまウマい事いったの!!! それにあーしは慣れてるから! あんたはまだ始めたばかり! 始めたばっかりで上手く行きっこないわ!! これはどんな才能持ってる人も一緒よ!! 始めから上手く行く才能なんてこの世にこの宇宙にはない!! そんなの神の御業だもの!! 宇宙が開闢が生まれたのだって、きっと何度目かのビックバンよ!! 宇宙にだって失敗はあったわ!!」
イカ「いい話の最中だけどゴメんね~!!」(身体が闘争を求めてるのら~!!)
キャンディ「そして応用!!」
チョウコウバットウ ツ
【超光抜刀・アタリ突きぃぃぃぃ!!】
イカの喉元――突き出した円上の口元の下辺りを狙い、繰り出されるキャンディが閃光の突き技。
イカ「やられ役にしてはいい役貰えたあああああ!!」(イ感無量)
ジテン「応用……」
キャンディ「そ。あんたには想像力あるけど、きっと応用力が足りてない。自分で自分を狭めちゃってる。きっと変な漫画か小説読んだんだわ。それで下手に感銘を受けて、自分の世界を狭めてしまった。あんたにそういう美辞チック麗句ティックなノリは不向きだわ。不向きというか、似合わない。ううん。似合ってはいるけど――もっと雄々しく生きて欲しいな。意外とあんた雄々してるところあるんだから。今度はそっちの面伸ばしてみてワ??」
ジテン「はい……」
キャンディ「応用はやってかないと身につかないヨ。これとこれは繋げて、リンクさせて使えんなぞなもし――なんてね☆ 因みに今の、応用とは言ったけど、チョコバットがアタリ付きってのからモチーフ受けたってのはお分かり存知?」
ジテン「はい。存じてます」
キャンディ「うん、そっから来てんだけどね。でもね、突きの部分はあんたから頂戴したものよ。あんたがいなきゃ、この技は生まれてない。もしくは別の形だった。またはもっと時間掛かってた――ってこと。おまけにチョコバットなんて地球のお菓子、あんときあんたにたらふくお菓子奢って貰ってなきゃ発想として出て来てねーキャラ。あんたのおかげよ。半分くらい。チョコバットだけど――パピコりたい……あ、パピコもいいわね。ね。こうやって発想が発想が、人と人との繋がりが発想を数珠つなぎ的に躍進させてゆくのよ?」
ジテン「でも、時には要らんものも貰うでしょう?」
キャンディ「そう。それを濾過するのがセンス。あんた、人から物を貰う事が怖いのね」
ジテン「……」
キャンディ「自分では物を人に物をあげるくせに」
ジテン「!?」
キャンディ「今のアンタがあるのだって、他人から物を貰ってきたから、その賜物のくせに。今更怖がるの?」
ジテン「今の自分の力でやってみたいんです」
キャンディ「それは詭弁ね。そもそも人の心は流動的なんだから〝保つ〟と云う考え方が間違ってるわ。プールじゃないのよ。方円の器に随うと云うものの、収まり切って波も打たない、湛えた切り流れない――そんな状態は死んでるわ。もう死なのよ。保ててるジテンで」
ジテン「じゃあどうすればいいんすか!!」
キャンディ「心を開きNA。心を拓けば、良い物が入り、そして悪い物が出て行く。その循環がおおらかになるわ」
ジテン「そんな宗教染みた怖い事言わないでくださいよ! らしくない!!」
キャンディ「今のアンタがあーしの何を知ってるのっての。こういったのもあーしの一面なんだから。だから、あんたのそんな一面も受け止めて。良い物を受け入れて。今まで良い物だと思っていたけど、実は悪い物だった、そんなものを一旦捨てて。一旦でいいンダゼ☆」
ジテン「いきなり云われてもナァ……」
キャンディ「要はあーしを見てろって事。しばらくはあーしを師匠として――応用を見習いなさいな。今のアンタに一番足りないもの」
ジテン「……うす」
スエヒロ「なあ、なんでここだけこんなにも襲われねえんだ……」〝響いたけどよ、話〟
ジテン「大事な場面だからじゃないすか?」
スエヒロ「はて」
首を傾げ、大型の頭の後ろから1本の触手――ぬるりと裏から突き出した触手が〝?〟――感嘆符を描く。
ジテン「雰囲気って、意外と空気読むんですよね。なんかドラマとかそういうもんであるでしょ。なんでこーなってんのって。あれ、意外と現実でもあって、なんか知んないけどめっちゃ上手く行ってるみたいな。あれ、現実が空気読んでるんすよ」
スエヒロ「兄ちゃん、だいじょぶかい?」
ジテン「どうなんでしょうね。俺、ベースが、だいじょぶな方がこっちなのかもしんないす。今まで抗ってましたが。まあ、気長に探しますよ」
空を見上げ――
「そっか……受け入れるしかねーのかな。こんな自分」
横にふんわり着陸するキャンディ「自分じゃ自分のいいところ見失うからなナ☆ おまいさん、他人のいいところすぐ見つけるタイプだら??」
ジテン「そっすね。そんで、自分にはないなって嘆きます」
キャンディ「これからはあーしが居る。だからお前のいいところ8億万回要ってやるからよ。ご期待しろよ??」
ジテン「うす」
スエヒロ「たこじゃねーのに……」
キャンディ「で、あのルゥ姉ちゃんは??」
スエヒロ「それがなんだがよ――」
ざっ――その声を切っ掛けに現れる、ルゥ。
ジテン「どしたん」
――すか――
それを言い終わる前に、ジテンが顎下に蹴りが猛襲。
ルゥが、左足。
ジテン「がっ」
――がんごんがごーん☆☆☆
地面に三度ほど辺り――
〝ずざあああああああ〟
制止。
キャンディ「あんた――」
ジテン「なんで――」
あっち
ルゥ「……気が変わった。オレ様、イカ勢に着く」
そういって指を後ろ手に立てた。
〝ぴっ〟
~CAN・DAY・A・SORT~第四話終わり。
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