134人が本棚に入れています
本棚に追加
「わかりました、それでは私もその賭け乗らしてもらいましょう」
「うっとこも、賭けますわ、いや、是非賭けさせてください。葉山さん、明日の試合、頑張ってくださいね」
「よっしゃ、ワシとこも参戦や、今日明日で10億、用意すんのんはちょっと難儀やけど、なんとかしてみるわ…」
集まった経営者達のほとんどが賛同しだした。彼らは、明日の試合後に備えて極秘にマカオに入っていた。というのも、明日の試合後に直接、勝者に対して称賛と祝儀を送らないといけない決まりになっていたからだ。
「なら、紫音さん、俺らも紫音さんに賭けてもええかな?」
さきほど、プールに投げ込まれた清水が口を開いた。全身、水浸しの清水はトレーナーの裾を雑巾を絞るようにして水気を抜いている。
「ええで、でも自分等は今回の話と関係ないんとちゃうか?」
「そうなんですけど、俺らが束になっても勝てない相手が負けるはずがないでしょ。だから、これは絶対に賭けな損だと思って! でもさすがに10億は俺らにはキツイっすから、賭けれるだけ賭けて、儲けた金の半分を紫音さんに渡すってことでいいすっか?」
「ふっ、じゃあこうしよう。日本に帰ったらその金で飯でも奢ってくれや」
「…そんなんでいいんっすか?」
「かまへん」
そのような話をしていると、バスルームの方からシェフと3人の美女達が服を着て歩いてきた。表情を見る限り、未だに身体の火照りを抑えているようにみえる。
そんな彼女らにチラッと視線を移した紫音は思った。
(やっぱ、まだ全然満足してへんみたいやな、ちょっと彼女らの身体に火をつけすぎたかも)
だがこのようなとき、さっきからずっと懸念していることが紫音にはあった。公参党の幹部と繋がっている男が気がかりだったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!