秘められた才性

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「ふっ、雪麗(シュェリー)、そのタオルを…、自分で拭くから」  雪麗(シュェリー)は、温水で濡らしたタオルを紫音に差し出した。受け取った紫音は丁寧に自身の股ぐらを綺麗にしだす。 「雪麗(シュェリー)、こんなもんでええか?」 「綺麗になったんなら、問題ないわ」 「ほな、こっちへ来いよ」  ベッドの上で上半身だけを起き上がらせた紫音が手を開け招き入れようとする。  いまだに緊張が(ほぐ)れない雪麗(シュェリー)は耳まで赤くなりながら、たどたどしく紫音に近づいていく。そうして紫音の腕の中へ吸い込まれるようにして入っていった。 「処女の雪麗(シュェリー)ねぇーさん、つ、かま~えた」 「もぉ~、からかわないでよ」 「フッフフ、なあ、雪麗(シュェリー)、ポリネシアンセックスって知ってるか?」 「なによいきなり、そんなの知らないわ」 「まあ、簡単に言うと、焦らして焦らして性的な興奮をめっちゃ高めて、お互いをより深く知ろうとするスローセックスや。ほんまやったら5日ぐらいかけてするんやけど、俺の妖力でその5日を短縮させることができるんや」 「えっ!? 妖力って?」 「ふっ、今さら知らんぷりせんでもええ。さっき、俺と鈴玉(リンユー)の会話を盗み聞きしとったやろ。それにおまえも孫悟空と雪女の末裔なんやろーに」 「やっぱり、あなたにはかなわないわ。──そうよ、私にはなんの力もないけどね」
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