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ここは地下の2階。ダンジョンのように、いりくんだ通路が延々と続いている。
鬼隈達は、初めに案内された執事のような男の後を歩んでいる。気味の悪い甲高い笑いをする老人、背中が曲がり魔女のような鼻に大きなイボがついている。おまけに年寄りなのに眼光が鋭い。
その老人が目的のドアの前で立ち止まると、後ろを振り返った。
「この部屋でございます。ここからは、御二人でごゆるりとどうぞ。イヒヒヒヒ」
そう言うと老人は古びた長い鍵を鍵穴に差し込み、扉を開けた。
「おい! ここに、何がおるんや?」
中が何も見えない真っ暗な部屋に嫌な予感を感じた竜一が老人に訊ねた。
「イ、ヒヒヒヒ、ご心配はいりません。ここには、あなた方に危害を加えるような獣はおりません。さあ、早く彪鬼様の言いつけどおり、メインディッシュに出す食材を取ってきてください。ヒヒヒヒヒヒ」
彪鬼とは四天王の一柱。種族は鬼。四天王は鬼族が二柱に蛇族が二柱で構成されたオロジャッジグループの最高幹部達だ。彪鬼の身体の大きさは鬼隈とそう変わらない。約2メートル近く、基本的には男前だがいつも険しそうな顔をしている。眉間にある三日月模様の傷がトレードマークのようだ。
鬼隈と竜一が中に入ったのを見届けると、老人はドアを閉めガチャガチャと鍵を閉めた。
「ふぅ~、で、鬼隈、何が見える?」
竜一が夜目の効く鬼隈に問いかけた。
「おびえた子供らや」
「なんやて!?」
このとき、鬼隈の目に映っていたのは幼い子供達の姿だった。
男の子が4人に女の子が5人はいるだろうか。ボロを纏い、隅っこでおしくらまんじゅうをしてるように身を寄せあっている。5才から7才ぐらいの年の頃。まるで家畜のよう。だれも痩せ細ってはおらず健康状態は良さそうだ。
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