死練《しれん》

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「紫音様、ちょっと私は下のブティックへ行ってきます。彼女達の洋服のサイズを知らせないといけませんので」  スマホでの会話を終えたコンシェルジュである麻美(マーメイ)が自分の仕事をまっとうしようとする。 「あぁ、それなら私のサイズは…」  と、鈴玉(リンユー)が口を挟むと、麻美(マーメイ)がその言葉を遮った。 「いえ、似合うかどうかもありますんで、私におまかせを。サイズは大体の見当がつきますから」 「あっ、はい。それなら、お願いするわ」  寝室を後にした麻美(マーメイ)。部屋に残ったのは3人だけになった。 「じゃあ、昨日の続きをしょっか?」  紫音が爽やかな笑顔を見せ、もう一度いう。 「でも、もうお昼ですし、それに今夜の試合にも差し障りますわよ」  雪麗(シュェリー)が紫音の体を気遣った。それと何といってもこれ以上、昨夜の濡れごとを続ければ頭もアソコもおかしくなるんじゃないかと。そう思った雪麗(シュェリー)は、かたくなに拒もうとする。 「紫音さん、今はやめときましょ。本当にお身体に障りますから。それに、無事に帰ってきて欲しいですし」 「うんうん、私もその方がいいと思う。試合が終わったらいくらでもお相手させてもらいますし。ねっ、そうしましょ。後、絶対に、生き残ってくださいね。もしも勝てそうにない相手だとわかったら棄権もできますしね」  鈴玉(リンユー)雪麗(シュェリー)と考えは同じだった。  紫音は、そんな彼女達に昨夜、情を交わしながら謎解きしていた内容を大まかに話しだした。というのも、まだすべてのことがわからずじまいだったから。無論、現地に赴かなければわからないこともある。だが、もう少しプラグインして、孫悟空や雪女のこと、雪麗(シュェリー)鈴玉(リンユー)の過去世などの情報を得ておきたかった。それになにより、昨夜できず終いだった3Pもしたかったようだ。紫音のことだ、おそらく後者が一番の本音なのだろう。 「なるほど、そういうことだったんですね」 「ふんふん、なんか興味深いですぅ~、もっと詳しく聞きたいかも」 「せやから、もうちょっとで、お前らのご先祖さんの謎が解明できそうなんや、、頼む! あとちょっとだけ入れさせて欲しいんや」  紫音が両手を合わせ熱心に頼み込むと、音をあげていた彼女達は頬を緩め口を開いた。 「わかったわ」「私もわかりました」
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