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「じゃあ、おまえはあのシェフの妹やったんか!?」
「そんなこと、おまえに言う必要はない」
再び、多節鞭を手にした陳 佩芳。なにやら新しい技を放とうと鉄の鞭を頭の上でブンブンまわしだした。
けれども、なぜか胸に着けていた鉄の鎧がポロっと地面にこぼれ落ちた。忽然と現れた豊満な乳房。その乳房の下には、くっきりと形づいた肋間筋が。しかし、そんなことはもろともせず、陳 佩芳は、そのまま鉄の鞭をまわし続けている。
「おおー! その格好の方がええがな」
「フンッ、ハムサップロウめ! どうせ、おまえがさっき、私を締めあげときに後ろの紐を解いたんだろ!」
「そうや、お前がどんな乳してるか気になったんでな。──うんうん、なかなかええ形しとるやん」
「フンッ、おまえの戯れ言を聞くのも、もうここまでだ! さあ、この風鉄砲を受けてみよ!」
暴食の女豹が、鉄の鞭をヘリコプターの羽のように高速回転させると、たちまち猛烈な風が立ち込めリングの周りにある土埃か舞い上がった。
その時だった。陳 佩芳の頭上で高速回転している多節鞭から、複数の単発の玉風がビュン、ビュンと紫音に向かって放たれる。
再び、実況アナウンサーの軽快の口調がスピーカーから聞こえだす。
「おーっと、でました! これが噂に聞く風鉄砲! 多節鞭を高速回転させ筒状の鉄の中に、ある一定の圧がかかると、銃の玉のごとく強烈な勢いの玉風を発射するという、超難易度の高い必殺技だー!」
多節鞭から勢いよく玉風が放たれると瞬時にかわす紫音。だが、ショットガンのように一度に何十発も放たれる玉風をすべては避けきれない。一発が紫音の太ももに命中した。
「痛っ! ものすごい威力やな…普通の人間なら貫通しとるで」
「なに!? バカな…確実に当たったはず……なのに、どうして血が出ないんだ!?」
ブンブンと鉄の鞭を振り回しながらつぶやく陳 佩芳が眉を寄せた。
「面白い見せ物やな、けど、そんな技では俺は倒せんぞ」
お次は紫音の攻撃だ。さっさと終わらせようとする紫音は、即座に盾の結界を張り彼女に向かって行く。
「おのれー! なめやがって!」
それを見た陳 佩芳は、連続で強烈な威力の風鉄砲を放つ。だが、玉風は紫音の張った鉄盾の結界に跳ね返され消滅していった。
あっという間に紫音が女豹の目と鼻の先まで近づく。すると、紫音は自身の指を口の中へと突っ込んだ。淫靡な妖力を宿す唾液をたっぷりと指先につけのだ。そうしてから、奇声をあげて陳 佩芳の身体に高速連打した。
「あ~~、たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた、おぅわったぁ!!」
その瞬間、暴食の女豹、陳 佩芳は悦楽の笑みを浮かばせ、その場にへたりこんだ。いつの間にか、リングの床に愛液の水たまりができている。突然のことで何が起こったのか呑み込めない陳 佩芳。紫音は、そんな彼女に決めセリフを吐いた。
「おまえは、もう、イッている」
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