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人の姿に化けた四天王の柱達は、粛々とエレベーターの方へ歩んでいく。だがそのとき、はたと黒鬼が紅炎の存在に気づく。
黒鬼は、昔の知り合いを見つけたように立ち止まって紫音に扮する紅炎に目を留めた。
「どうした黒鬼?」
美少年の形をした化蛇が尋ねる。
「いや、なんでもない」
そう黒鬼が言うと、再びエレベーターの方へ歩を進めた。
7年前、ウイグラル自治区の派遣争いでは彼らの姿はなかった。だが、彼らは今回のバトルオブデスマッチに出場するために来たのだろう。
おそらく、九尾の妖狐玉藻前こと麗花が、人民義勇軍の総大将である孟 勝峰に告げ口をしたのだろう。もしくは、参公党の幹部と繋がりのあるダグラス・キタムラ・カルロスかもしれない。あちら側のスパイのような存在の彼は昨夜、紫音の強さを目の当たりしている。
あわただしく、ことが急展開に進みだす。当初、紅炎や紅葉らは、この試合で優勝するのは大して難しくはないと考えていた。だが、彼らの並々ならぬ妖気をじかに感じとった今、命の危険を冒さなければならない試合になると確信する。
猛スピードで一直線に空を駆け抜ける紫音。別のルートからも小鬼の三郎太が鬼隈達を助けようと向かっている。しかし、鬼隈達を助けに来る何者かを今か今かと待ちわびる四天王の巴蛇と彪鬼。
今にも絶命しかけている竜一と鬼隈を紫音達は助け出せるのだろうか……
紫音の本当のルーツを探るなかで、孫悟空と雪女との関係は……。それに紫音が大鬼に変身する謎は解明できるのだろうか? 照美が秘密裏に音糸と華糸に頼んだこととは? さらに、もしも紅炎が優勝できなければ魔の手に堕ちた複数の日本企業とミベット族の命運は……さらにさらに、九尾の妖狐玉藻前も放ってはおけない。まだまだ問題と謎が多く残るままだが、先ずは目の前の敵を倒さなければ何も始まらなかった。
果たして、彼らの運命はいかに……
このあとの物語は、シーズン3へと続きます。
※ ここまで、お付き合いいただき本当にありがとうございました。できれば、「面白かったよ」などの簡単な感想でも良いですので、レビューして頂ければ今後の執筆活動での励みになります。どうか、よろしくお願いいたします。
では、次回の掲載をお楽しみに。
The story is to be continued in the next issue.
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