ダマシアイ ~いかさま店 vs チート客~

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 いくつかのゲームが瞬く間に流れた。黒人ディーラーから鈴玉 (リンユー)という妙齢なディーラーに交代してからというもの、次々と当てる者が現れた。それに前のゲームで紫音と雪麗(シュェリー)が大金をゲットしたこともあり、ルーレットテーブル付近が熱気に溢れさざめきだしている。    他のゲームを楽しんでいた客達も賑やかな歓声を聞きつけルーレットテーブルに集まりだした。それも後方にいる客達が、ルーレットや卓上のレイアウトが見えないほどまで押し寄せていた。    そのようななか、次のゲームが始まった。 「プレイス ユア ベット《さあ、レイアウト上にチップを置いてください》」  さて、この女ディーラーが、狙ったスポットにボールが入るのか、はたまた監視カメラで見ているカジノのスタッフが磁力を使いスポットに入れるのか。それを見極めようと、紫音はゴールドチップ10枚(約1千5百万円)をレイアウトの線上に積み重ねた。  教育ママ風なさくら客と同じ賭け方に同じ場所、隣り合わせの数字スプリットベットの二点賭け。当たれば18倍の高配当。  すでにディーラーの思考も読んでいた。先に0に入れてからボールを跳ねさせ、ブラック11を狙っている。  紫音がゴールドチップをブラック11とレッド30の境の線上に置いた瞬間、客を演じた女性は目を白黒させ、尖った赤い眼鏡の縁を指先で持ち上げた。明らかにに動揺している。女性は、ちらっと妙齢なディーラーにも視線を向けた。その視線をとらえたディーラーは何事もなかったように目をそらし、賭けの締め切りの合図を告げた。 「ノー モア ベッド」
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