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ずっと、昔のこと。
雪深い山間の村近くに、一匹の鬼が出たという。
鬼は山に入った村人や旅人を捕まえては喰った。
困り果てた村人たちは、とある夜、鬼を村外れの家へと誘い込んだ。
そこは、普段から村人に気味悪がられていた一人の女の住む家だった。
次の日、村人たちの前に籠を担いだ女がやってきた。
女がその籠の中から取り出したのは、五体をばらばらにされた鬼の死骸だった。
女は村人たちに言った。
この鬼の骸を村を取り囲むように埋めろ。
そうすれば、他の鬼たちは近付かない、と。
村人が驚く中、その女は村を立ち去る。
それ以来、女の姿を見かけた者は居ない。
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