はじまりはじまり

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はじまりはじまり

満開の桜!晴天でお花見日和!そんな今日は楼嵐(ろうらん)学園高等部の入学式! 俺、佐倉灯(さくら あかり)も今日からこの学園に入学するんだ!どんな高校生活になるのかな? ……このテンションやめよ 姉ちゃんにいつものテンションの10倍で行けって言われたからやってたけどムリですね。めんd…めっちゃ体力使うし 正直なところ、楽に大学行けりゃどこの高校でもよかったので中3の時は進路選びに全くやる気が出なかった。そんな俺に代わり、姉ちゃんがうっきうきで高校を選んでくれたわけだが、とんでもなく校舎でかくてビビったわ。入ってしまえば内部進学で大学にも行けるらしいのでかまわないけど てかプログラムなんも見てねーわ。さっき優しそうな校長の挨拶が終わって、次はなにすんだろ。なるようになるか あ、誰かステージに立った 「俺様が直々に祝福してやる。光栄に思えよお前ら」 「「「「きゃああぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!」」」」   「やっと神代様と同じ校舎で生活できる!!!」 「ちょっとダメだよ!役職名でお呼びしないと!」 「あっ!そっか!お近づきになれたらいいなぁ」 「絵に描いたような王道ktkr!!!!」 「ウオォォォォオオオオオ!!!!!抱かせろ会長ォ!!!!!」 「会長様ぁ今夜ボクといかがですかぁ♡」 「ファーwwwwwマジでガチムチもチワワもおる草wwwwwww」 「楽園やん!!!!追試頑張って良かったァ!!!!」   は? うっっっっさ。いやいやいやどうなってんの?男子校だよなここ。貴女たちどんな声帯してんの?あ、間違えた「貴女」じゃねえ「貴方」だわ 見た目が「可愛い」の分野で高すぎる上に声高えから脳内変換バグったわ キャーキャーマジでうるっっっっさい 「お静かに」 いつの間にか会長さん(仮)の隣にいたメガネの美人さんが一言注意しただけで嘘みたいに静かになった。軍隊? 俺の気持ちを置いてけぼりに美人さんは続ける。つらたん…キモいなやめよ 「この度はご入学おめでとうございます。これより今年度生徒会役員を紹介します。先ほど挨拶した偉そうなコレが3年会長の神代龍政(かみしろ りゅうせい)です」 「コレとはなんだ貴様。偉そうじゃなくて実際に偉いんだが」 「はいはい。そして私が3年の松蔭奏(しょういん かなで)です。副会長を担当させていただきます」 会長は俺様ね。副会長さん苦労しそうだな 「書記…藤堂(とうどう)晴臣(はるおみ)」 「はるくんは2年生ね〜。オレは1年の碇唯(いかり ゆい)で〜す。会計担当しま〜す。みんなと同じ新入生だけどがんばるね〜」 書記さんすごいでっかいな。あ、書記さん寝そう大丈夫か。会計チャラいなうるさそうだし近づかないでおくか 「成澤日彩(なるさわ ひいろ)でーす!」 「成澤彩月(なるさわ いつき)です!」 「「僕たちも1年生!2人で庶務!よろしくねー!!」」 すげー同じ顔のヤツが2人いる。ここまで似てる双子はアニメ以外で初めて見たな。似せてる双子とも言うか 役員たちが挨拶するたびに歓声があがるせいで耳が痛い。いや歓声あげたくなる気持ちもわからんでもない。それほどまでに全員が全員顔が整っている。ほんと、どっかで読まされた物語みたいに ……チョットマテヨ 現実逃避ですごい俯瞰して人間観察をしていた。動揺して思わず我らがタクヤの真似みたいになってしまったけどそれどころじゃない 「以上6名で今年度の学園運営を行なってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。これにて入学式は終了いたします。さて、続いてレクリエーションに移ります。まずは学生証について……」 副会長さんの話なんて聞こえちゃいなかった。 叫んでた人の言葉は聞かなかったことにしたんだよ。でも書記さんの自己紹介あたりからすげー嫌な予感してたんだ。だってメンツがそろいすぎてるもん。マジで外れてほしかった。外れなかったけど。まあつまり… ここって王道学園ですよね あーーーーーーーーーーマジムリ めんどくさがらないでちゃんと自分で進路決めるべきだった……ゼッタイ姉ちゃんの趣味で決めたろここ。だから入学が決まったあとやたら王道もの読ませようとしてきたのか。朝もご機嫌だったし……姉ちゃんに丸投げした過去の俺を殴りたい。俺腐ってないし王道とかマジムリ……。でも文句言ったら絶対お腐れお姉様に言葉でぶん殴られる 過去の自分を恨みつつ人の流れに身を任せていたらレクもいつの間にか終わっていたようで、教室に到着していた。周りの生徒はもう着席している。ひとまず俺も座席表を見て自分の席に座った 頼む!少しでも王道から逸れてくれ! 「おら静かにしろー。1-Sの担任になった隠岐尚人(おき なおと)だ。入学おめでとう。まず出席とんぞ」 願いは虚しく、扉を開けて入ってきたのはホストのような格好をした茶髪イケメンでした……。 王道とかゼッタイうるさいじゃんヤダ。イヤホン必須だなぁ。あとは目立たないよu「…かり。おい、佐倉灯!」   「え、はい」   やば、なんも聞いてなかった   「え、はい、じゃねーよ。話聞いてろ」 「すいませ「罰として自己紹介はお前からな」 「えっ」 嘘やんめんど。まぁ、まだ軽い罰でよかったよかった 担任が出席を取り終わって俺に自己紹介を促す 「佐倉灯(さくら あかり)です。」 よし着せk「もっとなんかあんだろーが」 「……好きなものは格ゲーと甘いもの全般、特に飴。それ以外あんま興味ないです。静かにゲームしてるのでほっといてください」 うん、盛り上がらないよね。知ってた 「お前、自己紹介の時くらいマスク外せよ」 「え?ムリです」 「あ゛?」 いやそんなに凄まれましてもムリなんです 「ほんとにムリです」 「風邪か?」 超健康だが悪いな担任。理由は知らんが俺が尊敬する(恐れる)お姉様からの言いつけだから外してはならんのだよ それに今回は父さんもおじさんもマスクつけることに賛成してたし 「いや、家庭の事情で」 嘘は言ってないよね? 「なんだそれ。んじゃせめてその分厚い眼鏡外せ」 「それも家庭の事情でムリです」 お姉様に殺されるのはもちろん父さんにも心配かけちゃうからほんとにムリだな あ、担任キレてらっしゃる 「……そのメガネとマスクと長い前髪のせいでお前の顔が全く見えないんだが?」 「すいませんでもムリです」 「おまえあとで数学準備室な」 「え」 マジかよ…めんどくせ。俺ちゃんと自己紹介したのに、めんどk「佐倉座れ。次」 さっきからあんためっちゃ俺の思考やら言葉やらさえぎるやんけ。俺のこと大好きかよ   あ、めんどくさいって言わないようにしてたのにド忘れしてた。姉ちゃんにまた怒られる。 ……姉ちゃん……姉ちゃんねぇ。勇気を出して言ってみようかな   転校していいですかお姉様
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