赤と白 第二章 2

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五・最終公演コロン劇場。    スカラ座、オペラ座も順調に終え、最終公演地、コロン劇場コンサートに到着した。  最終公演の初日とあって、いろいろな国の首相や大統領、そして渡辺圭介総理大臣も公演に招待された。  いつもの首脳会談では私は目立たず、いつも隅。  しかし、今回は違った。  各国のトップの人が、やたらと私に握手を求めてくる。  常に私が中心だ!  私は胸を張り、各国のトップに私の公約の成果を喋りまくった。  しかし、会釈をして握手するだけで皆んな直ぐに逃げて行く。  私より若菜なんだ。  私は勘違いをしていた。  若菜あっての私……    福岡歌劇団のスターペガサスと歌劇Y&Aは、アリゼンチンのコロン劇場を見学した。  アルゼンチンのコロン劇場は、入り口の天井ホールは突き抜けで、天井や窓に多数のステンドグラスが鏤められ周りは細かい彫刻で飾られ、中世を思わせる建設物だ。 「どこも、凄いわ……  若菜と茜のお陰だね!  こんな素晴らしい所で舞台が出来る私達は幸せものよ!」 「やめて下さいよ、白雪さん、(スターペガサス娘役)私達も福岡歌劇団やジミー・ブラウン、スタッフのお陰でこんな素晴らしい所で舞台を踏めるんです。」 「上手くなったね!若菜」    なんとも奇妙なジミー・ブラウンの適当なストーリーだが世界中は熱狂し、二人の演技と、ちょっとコミカルな福岡歌劇団の演技が話題になっていた。 「しかし、何で私達、娘役が男役をしなくちゃならないの?」 「絶対、無理だって!  頑張ってやっても観客から笑われるだけだし……」 「観客は、コメディだと思ってるよ。」 「こっちは、マジでやってるのに……」 「何で、若菜と茜は、普通に逆を演じられるの?」 「あの子達、本当の天才よ……」    
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