赤と白 第二章 2

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 六・ジミー・ブラウン最後の演出。   「桜木名誉会長さん。  全世界は福岡歌劇団の世界三大公演の 大成功で莫大な収入が入り込んでますよ。  七割は、ジミー・ブラウンとサミー・ジョンソンが持っていかれるんだよ。」 「ケチな事を言わないの!  岡田社長。  それに名誉会長さんって、あなた、私の事を馬鹿にしてる訳?」 「いえいえ」 「また、音楽学校に戻してやっても良いんだけど!」 「……。」 「今ね……ジミー・ブラウンに変わる演出家を探してるのよ!  出来れば、若手の有望な演出家の卵をね!」 「歌劇Y&Aだったら、どんな演出家でも客は入って収益は見込めるわ!」 「なるほど!  そうなったら、全ての収益が福岡歌劇団に転がり込むって事だよね。」 「んっ……」  「ですね。でした。すみません。」 「若菜、茜、久しぶり!」 「あっ、雅美じゃん、元気してた?」 「私、役を貰ったんだよ。」 「知ってる!  台本見てビックリしたの。  これから、スター街道爆進だね!」 「歌劇Y&Aに比べたら、話にならないわ!」 「頑張りましょ!」    演劇の続きの、どうでもいい内容だが……  ワカナ姫を狙って、追ってくるイタリア軍を二人は逃げるように、フランスを後にした。  アカネ帝王と帝王の娘ワカナ姫は、自分の地位や身分を捨てて、ここアルゼンチンのブエノスアイレスに渡った。  ブエノスアイレスには、ワカナ姫を昔から可愛がってくれていた、叔父のパトリシア帝王と叔母のジョンリナが居るからだ。   「長い旅だったわ!ワカナ姫。」 「アカネ帝王、帝王らしく、男らしく話してくれないか!  そんな姿をパトリシア帝王とジョンリナが見たら泣いてしまうぞ!」 「分かってるわ……  でも、無理なの…… ワカナ姫だって、変よ。  もっと、女性らしく振る舞って!」 「それが無理なんだ……」  ブエノスアイレスにある宮殿に二人は、たどり着いた。  待っていたのは、叔父のパトリシア帝王(スターオリオンの舞鶴翼)  そして、叔母のジョンリナ(スターオリオンの華咲舞)だった。  そして、帝王の娘役、ジョナル姫役に(沢田雅美)が抜擢されていた。  「アルゼンチンまで、よく来たな!  ワカナ姫。  隣に居るのはイタリアのアカネ帝王じゃないか!  まぁ、中に入りなさい。」 「ワカナ姫、久しぶり!」 「ジョナル姫も大人になったなぁ!」 「ワカナ姫は、何か男ぽくなったみたい……」  会場は、大爆笑だ。  二人は、パトリシア帝王に全てを話した。  性格も変わる事も。 「何って事だ!  よく見たらアカネ帝王、ナヨナヨして気持ち悪いなぁ……」  観客は、アカネ帝王の動きに大爆笑をした。  そんな感じでストーリーは進んで行った。       
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