赤と白 第二章 2

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  八・結末    【えっ……  ワカナが撃たれてた……  ワカナ姫、イタリア軍から本当に殺されたの…… これが、最後の結末……】    ワカナ姫は、見えない糸に吊るされて、天井のステンドグラスが開き、そこから光が差し込み天国に登って行った。  【嫌だ!ワカナ姫……】  【何故、ワカナ姫が殺されないといけないの?】  観客は、悲鳴をあげた。  その時、アカネ帝王は本来のアカネ帝王に戻った。  ワカナ姫!  俺の愛しきワカナ姫……  アカネ帝王は、ワカナ姫を殺害したイタリア軍の前で跪き、目から大量の涙が溢れ出した。 「私は、あなた達を許さない。  でも、命ある者、これ以上、争い事は、私は望んでいない」  アカネ帝王は、剣を空に突き上げた。 「ワカナー!ワカナー!」  アカネ帝王は天に向かい、永遠と叫び続けた。    なんとも、ハッピーエンドでもなく、中途半端な終わりだったが、会場の観客は、酔いしれ鳴り止まぬ歓声と拍手で演劇の幕を閉じた。  世界中、この日だけは眠らない人達が沢山いただろう……   「ジミー最高の演技でしたね!」 「ありがとう。  島崎君。  特にワカナの最後の演劇は、凄かった。  あれがプロだよ。  いやっ……  もちろん、アカネも最高だったが、一つだけ気になった事があって……  銃弾の音が二回鳴らなかったか?」 「あまり、気にして無かったですが、練習の時も銃弾は二発じゃなかったのですか…?」 「演出家は、俺だぞ!効果音のミスか…  まぁ、いいかぁ…。  さぁ、最後の挨拶だ。  皆んな、準備は、出来てるか?」    「た、た、た、大変です!  ワカナさんが…。」 「慌ててどうした?」   「ワカナさんが舞台の天井で血を流して倒れてます…。」 「は、は、早く、救急車だ!」 「アルゼンチンの救急車って一・一・九?」 「知るか!  アルゼンチンの人に聞け!」        
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