赤と白 第二章 2

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 そして若菜は島崎本部長に呼ばれた。 「若菜ちゃん、いやっ若菜君?  いやっ、総理夫人。」 「あの〜芸名のワカナでいいです。」 「あぁ……  ワカナちゃん、実は総理の強行な公約を少し止められないかなぁ……」 「すみません……  私も、少し前から感じてました。  彼は責任感が強く、今は前が見えて無い状態で私が言っても断固として自分を貫いているんです……」  首相官邸 「若菜、どう言う事だ!  世界三大公演を休み無しで働くだと!  そんな事したら、野党が黙ってないぞ!  いやっ、野党だけじゃない!  与党からも反発が出るに決まってる。  首相夫人が公約を無視して違約金を払うなんて、いい笑い者だ。  頼む!それだけはやめてくれ!」 「それは、無理。  皆んなが私達のショーを心待ちにして待っていたのよ。  もし、私が従って週休三日を守ったら、あなたは世界中からパッシングされるわ!  そうなったら、政権なんて一瞬に終わりね……」 「じゃ、どうすれば良いんだ!」 「自分の無い頭で考えたら!」 「何だと!」  私は若菜を認めるしか無かった。    そして、歌劇Y&Aと福岡歌劇団の世界三大公演の特訓が大詰めを迎えた。  ジミー・ブラウンは歌劇Y&Aの動きを眺めていた。  「歌劇Y&Aは、動きを取り戻したぞ。  アカネの体重もやっと元に戻ったみたいだな!」 「茜は、ご飯をやめて主食は、キャベツなんですよ。  料理は私が作ってるんですがね。」 「島崎さんマメですなぁ。」 「あの子、最近、一人暮らし辞めて、私と一緒に生活してるんですよ。  全て、私が面倒みて……  家でもマネジャーと思ってるみたいで……  前は、几帳面過ぎる位だったのに……」 「アラザンが帰って、ほっと、してるんですよ。」 「アラザンの話は、もう結構です……」    そして、世界三大公演に向けて記者会見が行われた。  報道陣は、三カ月無休を歌劇Y&Aについて鋭い質問が飛んできた。 「首相夫人が自ら公約無視ですか?」 「首相夫人が引き続き芸能活動を続けて、渡辺総理に支障は無いのですか?」 「総理とは、上手く行って無いのですか?」  夫婦不仲説までが若菜に問われた。
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