赤と白 第二章 2

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「本当にワカナは、殺されたの?  世界中の人達を騙してるんでしょ!」 「それは、事実の様です。  AM五時四五分、死亡が確認された連絡が入りました。」 「桜木名誉会長さん、大看板のワカナが死んじゃって、うちで雇っていたアラザンが犯人だったら福岡歌劇団は、大打撃ですよ。  全世界に歌劇会場が建設中なのに……」 「今は、それどころじゃないでしょ!」 「は、はい……」    取り調べ室  【お前は何故、屋根裏に入れたんだ!】  【私はコロン劇場の初日から屋根裏で生活していた。】  【何故だ!】  【私は、アカネを忘れられなかった。  そして、一緒に最後まで、コンビを組みたかったんだ!  私達の間を邪魔したのは、ワカナだ。  だから、憎かった。  屋根裏でジミー・ブラウンの演出の話を聞いて殺害を思いついた。  ワカナが暗殺される時に同時に暗殺する計画を立てたんだ!】  なんとも身勝手な犯行だった。    私の若菜、俺はこの先どう生きたらいいんだ。  周りも状況を把握しだし、世間も少しずつ落ち着きを取り戻した。  そして、若菜の遺体が日本に戻って来た。  福岡空港は、多くの人達が日本の国旗を振って若菜の帰りを迎えた。 「ワカナ…… お帰りなさい!」  そして、盛大に若菜の葬儀が行われた。  各国の大統領、首相、著名人、福岡歌劇団の皆様など、多くの参列者が若菜との最後の別れに集まってくれた。  私は、周りの皆様に挨拶どころでは無かった。  立っているだけで必死だ。  今でも、若菜が居ないなんて信じられない。  その時、茜さんが私の所に来た。 「私のせいだわ。  アラザンと知り合ったばっかりに……  私の一番の親友、そして一番のライバルを無くしてしまった。  若菜ね、言ってた……  死ぬ寸前に。  ナベちゃんの事だけが心配だって……  渡辺さん、落ち込んでたら若菜から、また怒られるよ!  若菜の最後を、渡辺さんの演出で若菜を見送ってあげて。」 「ありがとう。茜さん。」  私は、茜さんの励ましで若菜の最後を私なりに見送る事が出来た。    そして、五年の月日が経つた。  今では、若菜と茜は、伝説の人物だ。  小学校の歴史の教科書に登場するまでに、世界を歌と踊りで平和にした人物で紹介されている。  茜は、その後、福岡歌劇団でスターカシオペアが復活してカシオペアの男役と娘役の兼任で福岡歌劇団の代表取締役も兼任している。  そして、私は五年間務めた総理の長期政権を一番信用していた、原口官房長官が国民福党内で私を敵に回し、原口派閥を広げて、私を政界から追い払われた。  しかし、私は総理としてやり遂げた、 つもりだった……  
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