赤と白 第二章 2

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 二・世間の反応   「私は一年間、お休みさせて貰い、渡辺圭介と手を取り合い助けて来ました。  しかし、総理まで登り詰めたのは本人の実力だと思ってます。  しかし、全てが渡辺圭介の公約が正しいとは思いません。  家でも主人とはかなり揉めました。」  カメラマンから沢山のフラッシュが焚かれた。 「では、若菜さんは、総理の公約に反対と捉えていいんですね!」 「若菜さんが政権交代の時、一緒に演説したのは、本音では無かったって事で良いんですね!」   「私は渡辺圭介に強い信念を感じました。  あの人は、日本の風習や時代の流れをより良い方向に、変えようとしているのが私には分かります。  しかし私達、歌劇Y&Aも全世界の人々を裏切る事が出来ません。  世界三大公演が移動日を除けて三カ月間、全世界に衛星中継されます。  毎回、各国の著名人や私達がお世話になった発展途上国の人を招き、全日大変な騒ぎになるでしょう。  それを週休三日の出演になったら、恐らく日本の政治が叩かれるでしょう。  福岡歌劇団やジミー・ブラウンらと話し合った結果、放映収入の半分を発展途上国に寄付する事を決めました。 そして……」 「若菜、ズルいよ。  いいとこ持っていくんだから!  ここからは私に言わせてよ。」  茜は、若菜からマイクを取った。 「この三カ月、私達、歌劇Y&Aはボランティア活動で公演します。  それなら、誰も違法行為は無いはずです。  事実、私達の小さな力ですが、小さな村に学校が出来て、病院が出来、治療を受けれない感染者も少しずつ減少していると聞いてます。  もっと、全世界に広めたいんです。  私達だけの小さな力で!」  二人には沢山のフラッシュが焚かれ、集まった報道陣や関係者から割れんばかりの盛大な拍手喝采が起きた。  
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