赤と白 第二章 2

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 【あっ、始まったわよ!  アカネだ!】   ワカナ姫のフランス、パリの宮殿にアカネ帝王は逃げて来た。  それを追ってイタリア、ミラノから娘役に変わってしまった召使(福岡歌劇団)の男役が乗り込んで来た。  観ていて、いささか気持ちが悪い。  何故なら男役だからだ……    イタリアから乗り込んで来た娘役とパリの宮殿で働く、召使の青年達との闘いが始まった。  【おっと!  ワカナが出て来たぞ!】  ワカナ姫は、争っている人々に優しく美しい歌声で争い事を静めた。  【何て美しい歌声だ!  やっぱりテレビより舞台で観ると迫力が違うわ!】  【やっぱり、ワカナは美しいわね!】  続いてアカネ帝王は、召使の青年達にひ弱な声で言った。 「もう、私には、関わらないで下さい。  さもないと、あなた方をクビにしますわよ…。」  召使は弱々しいアカネ帝王に、納得するしかなかった。  争い事は収まり、ミラノから来た召使は帰って、晴れて幸せの日々を迎えたの様に見えたがワカナ姫の父、ローレル帝王はアカネ帝王を許さずにいた。 「何だ!  アイツはナヨナヨして気持ち悪い!  本当にイタリアで帝王をしてたのか?  ワシは認めん!  さっさとイタリアに帰ってもらえ!」  「アカネ帝王、ここで暮らそう!」 「いゃ、無理だわ。  イタリアの国民が私を待ってる。  しかし、今の私の姿を国民が見たら呆れるでしょう。」 「何故、私達は性格が変わってしまったんだ?」 「確か花瓶に入った、かすみ草と薔薇を銃で打った時から私達は変わった。」 「あの花に私達を変えた何かが有るんだわ。  きっと……」   「大変です。   イタリアから大規模な軍隊が、ここに向かって来てます。  どうも、イタリアからアカネ帝王を連れ戻しに来ている模様です。」    イタリア軍は、宮殿を囲んだ。  アカネ帝王は、乗り込んで来たイタリアの兵士達に伝えた。 「私は、大丈夫!心配しないで。」  イタリアの兵士は、不思議そうな顔でアカネ帝王を見ていた。 「アカネ帝王は、どうしたんだ!  気持ち悪いぞ!  帝王の頭をおかしくしたのは、あのワカナ姫に違いない!」 「ワカナ姫を殺して元のアカネ帝王に戻さなくては……」    二人は第三の都市、アルゼンチンへと二人は逃げた。  
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