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「なんだっけー、赤松……とか? いや、違うか」
「まだ言ってんの、それ」
梓がぶるぶると肩を振るわせながら呟く。
二人横並びになって、お試し用のマッサージチェアに座ってくつろぐ。
私達の後ろの列には同じように無料で最新型のマッサージチェアを堪能しているおじいちゃんがいる。
「ちょっとさ、あの俳優、体育のニッシーに似てない?」
「西崎ぃ? 全然似てないでしょ」
「鼻んとこ似てると思うけど」
「鼻だけで似てるとか分かんなくない? 目が似てるとかなら分かるけど」
二人とも椅子に揺られて声が震えている様子がなんともシュールな光景だ。
私は長いため息を漏らした。
「あぁ……欲しかったな、ちぇかわのアクスタ」
梓も同じく長いため息を吐く。
「マジで、それな」
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