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私が名前を呼ぶと依夜くんは...............
「ふっ、いい子。俺、もう我慢しないからね」
そう言って、ニヤリと笑ってから、
私の頭を、ぽんっと軽く撫でると。
首筋に顔を埋めてから。
舌先で鎖骨から首のところを、
ツーッと舌でなぞるように舐めて、
最後に軽くチュッと音を立てて吸われる感覚。
そのあと、
力を込めて、グッと押しつけられる唇。
いつも、チクリとするのは最初だけで。
八重歯が入って来たので、
ゴクゴクと、血を吸われてるのが分かる。
でも、今までと違うのは、
最初から──────ギュッと握られる手。
「...............んっ、ぅ、依夜くん、すき」
私は、血を吸われながら口にしたのに。
依夜くんは、言葉を言う代わりに、
好きを伝えるように〝吸血〟した。
どうやら、私の好きな人...............
依夜くんは、吸血欲が我慢できないらしい。
fin.
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