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秋原くんと西川くんが遠くで言い争ってる。
僕は離れたところからそれを見ている。
僕にもなにかできないかな?
無理だ。僕には何もできない。
「取り敢えず、薬は返せ。」
会話が耳に入ってくる。
「あぁ?あの薬か。それなら捨てたぜ。ゴミ収集車に出したからもう帰ってこねぇけどな。がはは!」
「おまえ…正気か?薬は命に関わるものだぞ!もしそれであいつが命を落としたらどうするつもりなんだ!」
秋原くんが声を張り上げる。
捨て…た?
くすりを?
どうして?なんで?なんでなんでなんで?
西川は、僕に仕事をやめさせて、酷いバツを受けさせたいの?
わかんない。わかんない、
「どうせ何かの違法薬物とかだろ?」
「なわけ無いだろ!その薬はあいつが坂山総合病院から正式に受け取ったものだ。」
…?
どうして、秋原くんはどの病院か知ってるの?
「証拠はあんのかよ?」
その時、除いているのが西川にバレた。
「おい、何見てんだテメェ。」
やだ、こわい。
「おいてめぇ、何見てんだっつってんだろ」
「ぇ、ぁ、ごめんなさい…」
僕はさらに後ろに下がって
あやまる。
「本当にお前は…もう杉川さんとは関わるな。」
秋原くん、僕の名前、覚えてるの?
初めて同級生に名前を呼ばれた。
僕の名前は杉川 鈴。
元の名前は瑞波鈴。
「何でオメェに命令されなきゃいけねぇんだよ。」
「自分の頭で考えてみろ。」
そう言って秋原くんは僕の手を引いて教室を出た。
「ありがとう、秋山君。どうして、坂山病院だってわかったの?」
「昨日休みの大きめの病院と言ったら坂山しか無いからな。」
休みの日だけでわかるんだ。すごい…
すごいな、秋山くんは。
「なんで、ぼくは、こんなことされるのかな。」
「あ〜、まぁ、杉川さんのことが好きなんじゃないか?男は好きな女の子を虐めたくなるっていうし…」
好きなのに、いじめるの?あ、でも、
「ぼく、おとこだよ、?」
「お、とこ…?いや、あ、ごめん。」
すごく驚いたような顔をしている。
僕、女の子だと思われてたの…?
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