4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
苦
「また薬飲んでやがる。アブナイ薬か?俺が預かっといてやるよ。」
そう言って眼の前の男が僕の手からくすりを奪い取った。
「なん、で」
「あぁ?そんなこともわかんねぇのか。薬ばっか飲んでるからわかんねぇんだよ!」
下品に笑った男は僕をおいて走り去ってしまった。
あいつはいつも僕を虐めてくる、ヤンキーってやつだ。
なんで僕がこんなことされなきゃいけないの?
どうしてくすりを飲んだらいけないの?
僕が、死んでほしいから?
死ぬのはいけないこと。
生きることが、人間という名の生物のたった一つの仕事だから。
だから生きるために働かなければならない
その中でも僕みたいな落ちこぼれがいるから、くすりがあるの。
くすりがないと、だめなの。
なのにどうして、どうして持って行ってしまったの?
僕は追いかけようとするけど、不自由な体はうまく動かない。
新しくおくすり、もらってこないと
最初のコメントを投稿しよう!