第二章 真夏のかき氷

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「何か言うことがあるはずよ」 「その水着似合ってる」 「私も勿論だけど里依の水着! 可愛いでしょ!」  神倉のことだから、自分の選んだ水着を着てくれる里依さんが可愛い、に違いないのだ。だから 、僕は正解を理解しつつあえて違う答えをする。 「里依さんはいつも可愛い」  一瞬、呆気に取られたような顔をする神倉。僕は神倉との付き合いが長いから神倉の勢いに負けてばかりではない。しかし、返ってきたのは予想外の言葉だった。 「流石、一度脱がしたことのある男は余裕が違うわね」 「言い方」  神倉にはもう少し慎みみたいなものを持って欲しい。読モの立場が泣くのではないか。持参した氷タオルや保湿スプレーを使いながら身体を冷やす神倉は女子力と発言が比例していない。 「あんたさ、正直里依のことタイプでしょ」
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