第二章 真夏のかき氷

8/20
前へ
/39ページ
次へ
 幼馴染としての付き合いが長いから、神倉には僕のことがお見通しなのだと感じることが多々ある。 「......そうだけど」 「付き合わないの?」  簡単に言ってくれる。  けれど、神倉は決定的に勘違いをしているのだ。僕は里依さんの外見は好みだけれど、全然中身は好きじゃない。里依さんから優しくされることもあるし、僕が里依さんの面倒を見ることもあるけれど、それらは全て友人関係があってこそ、だ。  恋人になりたいとは思えない。 「......好きになったら地獄だから」 「何それ」  ここで、神倉にこのグループで今起きている三角関係について語る気はない。なぜなら、神倉は真に好かれているという面で三角関係の一柱を担っているのだから。 「そういう用事なら僕は読書に戻るけど」 「光高に頼みがあるの」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加