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夜這い星
或る日の夜。
季節は、夏休みの始まりを告げる頃のことだった。
黒い窓を見る。奥には、小さな宝石がキラキラと輝いている。私は静かにそれを見つめていた。今日は、宝石の雨が降るらしい。たくさんの。
天気予報にて、流星群が見られる、と。そうテレビから流れていたのを耳にした。此処から、自分の部屋から、見えるだろうか。
ぼうっと空を見ていると、一本の光の線が。それに気づき、蚊や虫が入ってくるだろうことにも構わず窓を開けた。勢いのある風が吹き、カーテンがバタバタと音を立てる。
「――――と、一緒に、いた、い……」
思わず口からこぼれ出る。自業自得だというのに、目尻が熱くなってきた。水滴が頬を伝って顎へと向かって行く。
「たっ…か……っ」
涙は止まらず、溢れ出てきた。
滲んだ視界で窓から顔を出し空を見上げる。
――――どうか、叶いますように、と星に願って。
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