詩 あっ、自分死なないんで

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詩 あっ、自分死なないんで

「あっ、自分死なない人間なんで」 「いろいろやっても死体にはならないんで」 「とにかく殺害やめてもらっていいっすか?」  憎き男を殺そうと  この手を汚す覚悟を決めた  果たす方法考え抜き  計画いくつも思い浮かべた  いざ実行の日  決意を固めて  決死の覚悟で  あなたの前へ  なのに  どうして  死なないの?  強い殺意で振り下ろしたのに 「死なないんで」 「死ねないんで」 「悪いっすけど、無理何で」  やつは不死身のばけものだった  やつは不死の人外だった。  死なない  死なない  なぜ死なない  血しぶきあびるばかりで  死なない  私はこんなに血にまみれても  あなたは何ともないのです 「あなたはヘラヘラ笑ってる」 「私を見下し笑ってる」 「何が楽しい、何がおかしい」  決死の想いを馬鹿にするな  仇をうつのを嘲笑するな 『お前に頼みたいことがあるんだ』 『もし、俺が死んだら……彼女が絶望しないように』 『得意の芝居でもうって、どうにかしてほしいんだ』 「ストーリー」  天国にいるあいつ。  まさか不俺が死身になってまで、お前との約束を果たそうとするとは思わなかっただろうな。
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