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それからぼくたちとイトウの学校生活が始まった。福田くんは話し相手が出来て嬉しそうだった。
ある日、荒木くんがイトウに無茶振りしたことがある。
「イトウ、なんか変顔してみて。」
イトウはデフォルトの笑顔で頷いてから、右目と口の位置を逆にして見せた。これは面白いとかではなく、恐怖であった。女子の何人かは悲鳴を上げていた。イトウはまだクラスに馴染めているとはいえなかった。
しかし、イトウは学習機能付きのAIが搭載されている。そのため、日が経つに連れて直ぐにみんなとの距離感を修正した。みんなの笑いどころを理解し、みんなが嫌がることも理解した。空気を読むのが上手くなったのである。福田くんと話をすることもなくなった。
イトウは直ぐにクラスの人気者になった。勉強もスポーツも出来て、空気も読めて、人気にならない理由がなかった。さらに、クラスの女子と話す時は、その子の好みの顔に変身して話すことを学習した。まさに敵なしである。
イトウとは学校でも仲良かったが、学校以外でも、ゲームセンターで遊んだり、荒木くんの家でテレビゲームをして遊んだり、人間の友達と同じように仲良くなった。
イトウが転校してから2ヶ月後、イトウはぼくたちの生活に欠かせない存在にまでなっていた。
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